私が働く「佐京園」は、1650年ごろから続く茶農家です。今までの茶農家の仕事は、お茶を育成して収穫したら茶問屋に降ろすまでで終わり、販売は問屋に任すのが当たり前でした。しかし、日本茶の売り上げが低迷する今、売れない理由を問屋だけのせいにしてもいいのか、という疑問があり、10年ほど前から東京や神奈川、大阪などのマルシェに出店し、試飲していただきながら販売しています。
お客様に直接お会いして美味しいお茶の飲み方をお伝えしたり、当園のお茶の感想を率直にお聞きしたり。そんな対話の中から「こういう商品があれば……」というリクエストを受け、実際に商品化してご好評をいただいています。他に出店されている様々な生産者の方とのつながりも増えてきて、マルシェはとても大切な出会いの場になっています。
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お客様のリクエストから生まれた
ティーパック商品 |
深むし茶パウダーとくき茶も
お客様のリクエストから |
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マルシェでの対面販売に加え、全国どこへでも佐京園のお茶を届けられるよう、通信販売にも力を入れていきたいと思っています。
今、急須がない家庭が多いと言われています。昔ほど日本茶を飲まなくなっているようです。それは仕方のないことなのかもしれません。そんな中で「普段日本茶は飲まない人が、おたくのお茶は喜んで飲んだのよ」とお客様に言ってもらえたとき、とても嬉しく、胸が熱くなりました。
お茶は様々な条件によって出来が異なるので、毎年同じものではありません。二度と同じものはできないかもしれず、品質によっては同じ商品を作れないこともあります。
そんな中で、自信を持って美味しいと勧められるお茶を丁寧に精魂込めて作ることが、一番大切だと思っています。
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