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今、全国の色々な場所が面白い!
その地域の特色を活かして新しい可能性を引き出すべく奮闘されている方々から、お手紙を頂きました。生きること、働くこと、地域を愛することの楽しさや面白さをお届けします。(編集部)





のどかな茶園が一面に広がり、「きかんしゃトーマス号」で注目を集める大井川鐡道の蒸気機関車が走る、「お茶とSLの街」です。
私はこの街で、12代続く茶農家の長男として生まれました。県外の大学の農学部を卒業後、東京に出ていくつかのアルバイトを掛け持ちしたりタレント養成所に所属して活動したりしながら過ごし、2年後に家業を継ぐために金谷に戻りました。
私のように東京に出てUターンする人が多いのも、金谷の特徴だと思います。鉄道や道路が整備されていてどこへでも行きやすいこと、産業がしっかりしていて働く場所があること、買い物したり出かける場所も豊富なことなど、若い世代にとっても「住みやすい」街です。

大井川鐡道の機関車を背に、佐京園に茶畑にて

SL「きかんしゃトーマス号」が茶畑の隣りを走る

牧の原公園には、この地に茶栽培を伝えた栄西禅師の像が

私が働く「佐京園」は、1650年ごろから続く茶農家です。今までの茶農家の仕事は、お茶を育成して収穫したら茶問屋に降ろすまでで終わり、販売は問屋に任すのが当たり前でした。しかし、日本茶の売り上げが低迷する今、売れない理由を問屋だけのせいにしてもいいのか、という疑問があり、10年ほど前から東京や神奈川、大阪などのマルシェに出店し、試飲していただきながら販売しています。
お客様に直接お会いして美味しいお茶の飲み方をお伝えしたり、当園のお茶の感想を率直にお聞きしたり。そんな対話の中から「こういう商品があれば……」というリクエストを受け、実際に商品化してご好評をいただいています。他に出店されている様々な生産者の方とのつながりも増えてきて、マルシェはとても大切な出会いの場になっています。

汐留マルシェでの商品展開 丸の内行幸マルシェにて
お客様のリクエストから生まれた
ティーパック商品
深むし茶パウダーとくき茶も
お客様のリクエストから



マルシェでの対面販売に加え、全国どこへでも佐京園のお茶を届けられるよう、通信販売にも力を入れていきたいと思っています。
今、急須がない家庭が多いと言われています。昔ほど日本茶を飲まなくなっているようです。それは仕方のないことなのかもしれません。そんな中で「普段日本茶は飲まない人が、おたくのお茶は喜んで飲んだのよ」とお客様に言ってもらえたとき、とても嬉しく、胸が熱くなりました。
お茶は様々な条件によって出来が異なるので、毎年同じものではありません。二度と同じものはできないかもしれず、品質によっては同じ商品を作れないこともあります。
そんな中で、自信を持って美味しいと勧められるお茶を丁寧に精魂込めて作ることが、一番大切だと思っています。

佐京さんが取り組むプロジェクト
『佐京園の深むし茶』
金谷のお茶の特徴を活かした「深むし茶」は、味わい深いだけでなく、お茶の有効成分を多く摂取できるとされています。 自家農園で育成・収穫した茶葉を、畑ごとの特徴に合わせて手作業で確認しながら蒸し方を変え、最も味と香りを引き出せるよう、丁寧に作っています。
  ○ご注文、お問い合わせは
    こちらから→佐京園ホームページ
 
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