Interview, text & photo
Hong Ae Sun


最初は大変でした。うちの子、仕事復帰するまでの1年間、一度も病気しなかったんです。保育園に入ってからも最初の1か月は全然病気しなくて、「もしかして、うちの子強いかも!?」と思っていたら、1か月過ぎたころから流行ものを続々もらってくるよになって……。
病気で保育園を休ませるときは、私か夫、その日の仕事に余裕がある方が休むようにしています。何日か続くときは、1日目は私が半休、次の日は夫が全休、3日目は母に来てもらったり……。母も風邪をひいてしまって、父が「じいじのみで子育て」というときもありました(笑)。
最近になって私も少し慣れてきたのか、なんとなく「この熱は長引くかも」というのが、最初の段階からわかるようになってきたんです。その場合は、早い段階で実家に連れていき、日中は母に面倒を見てもらって、仕事終わりに私も実家に帰るようにしています。そのまま1週間くらい、実家から仕事に通うこともありました。治りかけで無理して保育園に連れていくと悪化することが多い、というのが、徐々にわかってきたんですが、かといって、そんなに長く仕事を休むわけにはいかないので……。実家が電車で30分くらいのところにあって、母も仕事をしていますが、父の自営業の手伝いなので、時間に融通がきかせてもらえて、とても助かってます。
最近、病児シッターさんの面談も済ませたので、冬に向けてもこれで大丈夫かな、と。




仕事復帰する前の3月ごろ、息子は10か月くらいだったんですが、夜泣きがひどくてとても悩みました。このまま仕事復帰したら一体どうなるんだろう!?って……。いろいろ調べて、一冊の本にたどり着いたんです。「赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド」という本です。目からウロコのことがたくさん書いてあって、とても参考になりました。

その本に書いてあった夜泣きしないための対策、たとえばなるべく早く寝かせて早く起きるようにするとか、夜泣きで起きたときに授乳しないとか、それらを実践していると、徐々に夜泣きしなくなってきたんです。本当に、あの本との出会いは転機でした。

そうですね。朝の準備から保育園への送迎は毎日夫がやってくれているし、子どもの食事も夫が週末にまとめて作ってくれています。料理が得意なので、大人の食事の用意もやってくれることが多いですね。
子どものことに関して、「私だけができて夫はできない」ということは、ほとんどないですね。たとえば保育園の準備も、わかりやすくリストにしておいて、それを見ながらどっちも用意できます。
でも、初めからできていたわけではないんですよ。私が育休をとっていたときは、夫は子どもの服がどこに入っているかも知りませんでした。復帰にあたり、これじゃまずい!と思って、お互い確認しながら共有できるように工夫しました。
夫が準備した子どもの服の上下の組み合わせを見て、「むむ?」と思うことがないわけではありませんが、そこは目をつぶることにしています(笑)。それを気にするなら、じゃぁ自分でやりなよ、ってなりますからね。
夫も、私にずっと仕事を続けてほしいと思っているみたいなので、努力してくれています。有難いですね。

そうですね〜。7月ごろ病気が続いたときは大変だったけど……。本当に大変なのは、まだまだこれから、かもしれませんね。


新米マザーの阪尾さん。試行錯誤しながら「やり方」を探して見つけ出し、実践している、という印象でした。何よりも、旦那さんやご両親など、周りの協力体制が素晴らしい! そして、とても理解ある職場……。働き続けるためには、「環境づくり」がとても大切なんだ、と感じました。それはきっと、待っていてできるものではなくて、自分でその道を選んだり、調整したり、努力の賜物なのだと思います。
就職活動中の女学生諸君! 一生のキャリアビジョンって、とっても大切です!! 一生仕事を続けるか、結婚や出産を機に退職するか、今の時代でも、女性は選ぶことができます。どちらの道が正しい、というわけではありません。ただ、一生仕事を続けたい!と思うなら、それができる環境を、自分で選び、勝ち取っていかなければなりません。阪尾さんのように制度的に充実した会社で勤めるのと、そうでないのとでは、「一生働く」ことへのハードルが大きく異なります(もちろん、全ての会社で制度が充実していることが理想ですが、いろんな現実問題、まだまだ難しいでしょう)。何も考えていなかったかつての私への自責を込めて、ここに書き記しておきたいと思います。
最後に……『「私だけができて夫はできない」ということは、ほとんどない』というのは、本当に素晴らしいと思います。なんという美しい二人三脚でしょう! 価値観の違いもあるので、そこに行きつくためには、きっと面倒なこともあったでしょう。「お願いするくらいなら自分でやった方が早い」と、なんでも自分でやってしまっているマザーたちも多いのではないでしょうか。理想的な阪尾夫妻の姿勢に、ワーキングマザーのあるべき姿を見た気がしました。



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