Interview, text & photo
洪愛舜 Hong Ae Sun
<profile>
1977年大阪府堺市生まれ。
立命館大学理工学部卒業後、出版社勤務などを経てフリーランスのライター・編集者に。編集プロダクション「econ(エコン)」主宰。
著書『もやもやガール卒業白書』(MMR)がある。
『econ-mag』編集長。
自身も0歳&3歳の二児の母。




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ちょうど今、幼稚園の入園説明会に出ているんですが、やっぱり園によっては親の出番が今よりは増えるみたいですね。時間的にも延長保育など対応してもらえるところはあるので、そういう園に入れたらいいのですが……。
でも、もし落ちたとしても、あまりこだわらずに、保育園に入ってもいいし、今のスクールにあと1年通って来年またチャレンジしてもいいし……と、フレキシブルに考えています。

大きなことは思いつきませんが……家族がいつも元気で笑ってくれていることが、嬉しいことですね。



やっぱり、子どもが病気をしたとき、ですね。一人でやっているので、自分が休むにはいかなくて……。病気の時って、子どもはやっぱりお母さんが良いんですよね。私もそばにいてあげたいけど、その気持ちと戦っています。悔しいから、「子どもがいるから休ませてほしい」とはあまり言いたくなくて

地元の福岡で複合的なサロンをやりたいと思っています。
マタニティセラピストの資格を取得してから、1年3カ月ほど自宅でサロンをやっていたんですが、予約をたくさんいただくようになって家族への負担も大きくなってきたので、今年4月からサロンとして独立しました。でも実はここを始める前から、もう次のことを考えていたんです。
いつも先のことを考えていないともやもやするタイプで。1年後、5年後、10年後は……って、その通りにならなくても、考えていたい。それに、そうやって考えてると、今までだいたいその通りになってきたんです。

メッセージは、『もっと我が侭になろう!』です。育児も仕事も遊びも全て手に入れたいという気持ちを、肯定してもらいたいなと思います。


今回、川崎さんがおっしゃった「働きたいけど子どもと一緒にいたい」という気持ち。とてもよくわかりました。出産後の女性の働き方は、現状では「0もしくは1歳代に週5日以上フルタイム復帰」「仕事を辞めて手が離れるまで育児に専念する」のどちらかしかほとんど選択肢がないように思います。なぜなら、前者でないと保育園に入れることができず、子どもの預け先がないので仕事をするこができないから。様々な理由――例えば勤務先の都合で育休制度が使えない、妊娠中の体調不良で辞めざるを得なかった、早生まれのため0歳児で保育園に入れらない、子どもが小さいうちは自分で子育てしたいという希望があった、など――から「産休や育休を経てフルタイムで復帰する」という選択ができなかった人は、幼稚園入園や小学校入学を機に仕事を再開する以外すべがなく、さらにその場合の多くはパートタイムなど短時間労働となります。
でも、もう少しフレキシブルに対応できれば、働きたい女性と、その力を活用したい社会にとってメリットがあるのではないでしょうか。
例えば1週間のうち週2日や週3日だけ仕事したい、という人に対して、「月・水・金」保育園に通わせる人と「火・木」通わせる人、という風に分ければ、一人分の枠で二人分の子どもを預けることができるから、二人分の労働力を活用できます。倍です! 
仕事もしたいけど、貴重な乳幼児期に子どもの成長を間近で見たい、という母心に寄り添うことと、その心があるから仕事を諦めることになった優秀な人材を活用できる、まさに一石二鳥! 会社や事業主など雇う側にも、保育園など預かる側にも、柔軟な対応が広がっていくことを望みます。いかがでしょう??

そして、子育てをしながら東京の一等地、白金にサロンを構えるなんて凄い!という気持ちで取材に臨んだのですが、川崎さんはとても自然に「その先」を見ていました。「女性はどうしても結婚や妊娠で働き方が変わるから、そういう時にそれまで自分が経験したことどれくらい活かすかが大切だと思います」と語った言葉が印象的でした。
確かに、子どものお迎えがあるから残業ができない、夫の転勤で会社を辞めなければいけない、子どもの病気で急に休まなければならなくなる、など、それまで「当たり前」にしてきた仕事スタイルができなくなる可能性があります。では
「できなくなった」その先でどのように仕事と関わっていくか? それには、今の自分には何ができるか、何を持っているのかが大切で、それはつまり、今までどのようなことを積み重ねてきたのか、ということです。
そして、
過去の積み重ねが今の自分であると同時に、将来あれをやりたい、これを実現したい、こうなっていたいという目標が、今の自分の行動を決める大切な要素であると感じました。今までの自分と、これからの自分。今の自分とは、その間にあるとても貴重でかけがえのないものなのですね。頑張ろう。


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