<毎週更新再開!>ロスジェネ男子←→女子の往復書簡【25通目】①断捨離、得意ですか……??

画像_02ロスジェネ男子ライター・大宮冬洋(1976年生まれ)と、
ロスジェネ女子エディター・洪愛舜(1977年生まれ)、
ふたりの「ロスジェネど真ん中世代」が試みる
インターネット往復書簡。
突然ですが、「断捨離」は、お得意ですか……??

画像_05
大宮冬洋さま

こんにちは!
「econ-mag」の更新を1か月お休みしたので、なんだかお久しぶりな感じがします。
お元気でいらっしゃいますか?
私は、今はとても元気なのですが……
今年の夏の前半は、悲壮感が漂っていました……。

突然ですが、
私はどうしようもないほど「捨てられない女」なんですよ……
洋服、写真、手紙、資料、本、小物、文具、子どものおもちゃ、などなど……全部ですね……
どうやら、「もったいないから捨てられない」というより、不要になってしまったものでも、捨てることによって、その物にまつわるストーリーがそこで途切れてしまうのがさみしい、と感じていたみたいなんです。
例えば子どものおもちゃだったら、
「あ、これ1歳の誕生日会のときに○○さんが持ってきてくれたやつだ(あのパーティ楽しかったな……)」
とか、
「これ初めて出来たとき大喜びしたよねー!(その後夫にそのことを話したのにいまいち伝わらなかったな……)」
とか、そんな全てのストーリーが大切すぎて、手放せないんだと気づいていました。
(この話を友人にしたら、「えすんてロマンチストなんだね」と言われました……)

そんな私だったんですが……
自宅をリフォームする計画がとんとん拍子に進んで、8月から着工となり、急きょ、仮住まいへと引っ越すことになったんです。
部屋はスケルトンにしてフルリフォームするため、家の中にあるものを全て一旦出さないといけなくなり……。

ここには7年くらい住んでいたのですが、
明らかに「これなんだっけ?」な段ボールや衣装ケース、
本棚には10年以上分の、仕事にまつわる大量の資料と本、
写真、無駄な収納家具、子どもたちの洋服とおもちゃ……
とにかく大量に、モノがあふれていたのです……。

明らかに、この家で快適に暮らしていく上で「無駄」だと思うものもたくさんあったので、これを機に「大・断捨離をしよう!」と決心し、8月上旬の着工に向けて、7月半ばからずっと断捨離活動をしていたのですが……

断捨離するために、捨てられずに溜まっていた物たちと向き合っていると、なんというか、こう、「過去が襲ってくる」んですよ……。
「右端から左端まで中身も確認せず全部そのまま処分!」とできればもっと楽だったかもしれませんが、なかなかそういうわけにもいかず……
本棚のファイル、引き出しに入っているもの……全て中身を確認しながら残すもの、処分するもの分けていったのですが、それをずっと続けていると、その「物たち」にまつわるストーリーが、私に襲い掛かってくるんです……
そのとき、「過去って……恐ろしい……」と感じました。
それは、他でもない、「過去の自分」でした。
私が「ストーリーの断絶がさみしいから捨てられない」と感じていたのは、全部、「過去の自分を捨てられない」ということだったんです。
そして思いました。

こんなに大量の過去を抱えて、私はどこへ行くんだろう?と……。
確かに、自分の好きな自分の過去に囲まれたここは居心地がいいけれど、こんなにも大量な過去を持ったままじゃ、重くてどこにも行けないかもしれない。と思いました。
そして、次から次へと襲い掛かってくる過去を全力で振り切り、なんとか着工に間に合わせることはできたんですが……
過去を振り切る作業はとても気力と体力を使うもので、おまけに子どもたちの夏休みとも重なり、非常にすり減った夏の日々となりました……。

でも、今はとてもすっきりしています。
工事完了まで隣街に仮住まいを借りて住んでいるのですが、自宅より狭いこともあって、すぐに使わないものは自宅のトランクルームに残してきたんです。
そうすると、部屋は散らからないしすぐに片づけられるし……
このすっきり感!
いわゆる、ミニマムライフというやつですよね……。
(これでミニマムとか言っていたら怒られそうですが……)
このすっきり感は、ダイエットにも通じるものがあるような気がしています。
必要だと思い込んでいるけど、それは実はただの思い込みで、実はなくした方がすっきりする。
ダイエットでも当てはまることが多いような気がして、そのことを意識しながら、現在再びの減量中です。
成功した暁には、「断捨離ダイエット」という本を書こうかと思っています。

長くなりました……。
今月のメルマガ「エロ欲求」のお話、面白かったです。
確かに、既婚であれ未婚であれ、「モテたい!」という願望を表に出すのを良しとしない傾向がありますよね。
女性もそうだと思います。
「モテ系」の服装は許されるのに、男性に「モテたい」という行動をすると「ぶりっ子」だの「男好き」だの散々言われたりしますよね……。
女性の場合、年齢を重ねると一層その傾向があるような気がします。
特に子どもがいると「母親のくせにそんなのありえない」とか……。
まぁ確かにそれも一理あるかもしれませんが、最近私、「どうせなら若くてかわいいOLと仕事したい」というおじさんの気持ちがわかるようになってきたんですよね。
どうせなら、かっこよくて優しい若い男の子と絡めた方が楽しいな、と思うんです。
なので、おじさんのことは批判しないから、私のことも批判しないでほしいな……。

気が付けば秋ですね。日が短くなってきました。
秋から冬にかけてが私の一番好きな季節です。
この秋は、「過去を捨てた女」として一皮剥けられるよう一層精進していきたいところです!
(まだトランクルームに過去が一部残っていますが……)
季節の変わり目、ご自愛くださいませ。

洪愛舜拝

追伸、明日よろしくお願いします!

洪愛舜拝
2016/09/06 2:12

★次のメールは9月21日(水)に更新します★

<大宮冬洋 プロフィール>

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。一橋大学法学部卒。新卒入社のユニクロをわずか1年で退社し、編集プロダクションを経て2002年よりフリーライターに。 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる小さな町に居心地の良さを感じるようになる。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。現在は「蒲郡の中央線化(もしくは鎌倉化)」を模索している。
月の半分ほどは門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。

Yahoo!ニュース個人にて、「ポスト中年の主張」を配信中。
「キャリア女子ラブストーリー」(日経電子版「WOMAN SMART」)、「ニッポン独身くん図鑑」(『婚活のミカタ』)、「晩婚さんいらっしゃい!」(東洋経済オンライン)、 「『仕事恋愛』の理論と実践」(日経BPネット)などのweb連載のほか、雑誌連載も。

uniqro

著書に『30代未婚男』『ダブルキャリア』(ともに共著、NHK出版生活人新書)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵〈ストーリー〉』(ぱる出版) がある。最新刊は『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)。
omiya

2016年にリニューアルした公式ホームページを毎日更新。
メールマガジン「冬洋漬」も発行中、登録はこちらから。

メルマガ読者限定イベント「スナック大宮」を東京・西荻もしくは愛知・蒲郡にて月に1回のペースで不定期開催、2016年より全国巡業も開始。詳しくはこちら

<洪愛舜 プロフィール>

1977年大阪府堺市生まれ。
立命館大学理工学部卒業後、出版社勤務などを経てフリーランスのライター・編集者に。編集プロダクション「econ(エコン)」主宰。
著書『もやもやガール卒業白書』(MMR)がある。
『econ-mag』編集長。
『目黒駅前新聞』編集長。
5歳児&3歳児を子育て中。
ブログ『目黒より、econがお届けします』を不定期更新。