HOMEback number >  「My Life is L.A. Style +KID」


text & photo
UKA
<profile>
1973年京都生まれ。 L.A.在住のフリーライター。
2007年、夫の仕事で渡米、
2008年、Babyを出産。
抜けるような青空の下、 3歳になるTAKUとのL.A. Lifeをお送りします!




皆さまこんにちは。諸事情により、しばらくの間、日本に滞在していたため、連載をお休みしておりました。
久しぶりの日本での長期滞在は、とても新鮮で楽しく、改めて、日米の生活環境の違い、考え方の違い、文化の違いなどについて、気付かされました。
TAKUの成長とともに、アメリカ社会の中で、どのようにアイディンティティを保っていくのか、またそのためには、教育方針をどうしていくのか、など、異文化の中で生きていく、楽しさと難しさに、日々迷い、試行錯誤しています。
連載の再開を期に、今後はこのようなことについてもご紹介していけたら、またその過程で、少しずつ私なりの答えが見えてきたら、そう思っています。どうぞまた、よろしくお願いいたします。

さて今回は、日本滞在中、「日本ってやっぱりすばらしい!」と最も感謝した、「医療」についてご紹介したいと思います。
私は日本に帰るたびに、内科、眼科、耳鼻科など、ひと通りの病院にかかり、気になることは全てチェックしてもらいます。
その時に感じるありがたさは、@自分で行きたい病院を選べる自由さ、A希望する薬をスムースに処方してもらえること、B医療費の安さ、です。この自由できめ細やかな医療が、日本の医療費を押し上げ、保険制度をパンクさせている原因のひとつだと思われますが、アメリカの厳しすぎる医療を体験すると、何て日本の医療制度はありがたいんだろう!これを保てるように、皆で努力をしないと!と切実に思います。

アメリカの医療問題は、オバマ大統領が「国民全保険」を実現しようと訴えているように、医療費、医療保険料が高すぎて、保険に入れない、病院に行けない人が多くいることです。
保険に入っていても、掛け金や種類によって、医療サービスに制約があったり、自己負担額にも大きな違いがあります。
ここでは、ごく一般的な、中レベルの保険に入っている、我が家の様子をご紹介します。
まず、私たちの保険では、自分が行きたいどの病院にでも行くことができます。日本人からすると、当たり前のように感じますが、制約の多い保険(=保険料の安い保険)の場合、保険会社が作った病院リストの中から、行く病院を選ばなければなりません(リスト外の病院に行った場合、保険が効かない)。
我が家の保険にも病院リストはあり、リスト内の病院に行くと医療費が安く、リスト外の病院に行くと、医療費が高くなるという仕組みです。行きたい病院に自由に行けない! これはとても不便でストレスがかかります。

これは、病院ばかりが入っているビル。


こちらの開業医は、このようなオフィスビルのようなところに入っていて、1室1室が、別々のドクターのオフィスになっています。このようなビルは、大きな総合病院の近くにあることが多く、手術などの時は、ドクターが総合病院の施設を借りて行います。TAKUを出産した時も、私は産婦人科医が提携している総合病院に入院し、そろそろ生まれるという時になってやっと、ドクターが地下通路を通って、オフィスから病院に来て
くれたのでびっくりしました。支払いは、ドクターと、総合病院(施設料やナースの方の処置料など)に別々に支払います。
このようなシステムだと、ドクターは開業費用がそれほどかからないので開業しやすく、また開業していても手術の経験ができて、日々進歩する知識を取り入れやすいのではないでしょうか。

その他に、とても困ると思うことは、薬をなかなか出してくれないこと。特に、風邪の時には、ほとんど何もしてもらえません。
38度以上の熱が出たら、市販の解熱剤を飲むように言われ、総合風邪薬も、鼻水、咳止めの薬も、何も出してもらえず、結果、ひどくこじらせることになります。
日本に比べると、抗生物質の処方もとても厳しく(耐性ができてしまうので乱用しない)、本当にひどくなってからやっと出してくれるので、いつもひどい目にあいます。
特に小さい子どもの場合、市販の風邪薬さえ売っていなくて、ナチュラルな成分の、サプリメント的なものしかありません。風邪をひいてしまってはもう仕方がないので、自然に治るのを待つしかない、という考えかもしれませんが、アメリカ人に比べて体力のない私たちにとっては、とても辛いです。
また、熱が出た時に言われて驚いたことは、温かくせずに、服を全部脱がせて、裸にして熱を逃がしなさい!というもの。
こうなってきたら、文化的な違いもあって、とても混乱します……・。

01 / 02






本サイト内の記載内容についての無断転用を禁じます。
Copyright(c)2008-2012 econ & Hong Ae Sun