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UKA
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1973年京都生まれ。 L.A.在住のフリーライター。
2007年、夫の仕事で渡米、
2008年、Babyを出産。
抜けるような青空の下、3歳になるTAKUとのL.A. Lifeをお送りします!



 また、英語の幼稚園では、とても必要で大切なことがあります。それは自己主張をすること。これは、自分の意見を言うということではなく、もっと基本的なこと、「自分はこれが欲しい」や「こうしたい」という「自分の気持ち」を、自分で言えるということです。
 先生方は、とても明るく優しく、親切ではありますが、日本人の先生のように、子どもの気持ちをくみとって、きめ細やかにケアをしてくれる訳ではありません。
 自分の気持ちは、はっきりと自分で示さなければならないのです。

 TAKUが2歳の時、こんなことがありました。初めてプリスクールに通い始めた日、なじめるか心配で、そっと影から様子を見ていました。少し遊んでから、おやつの時間になり、テーブルいっぱいに座った子どもたちに、クッキーが配られました。見るとTAKUの分がありません。
(どうするかな・・・)と様子をうかがっていると、しっかりと手を上げて、大きな声で「Cookie Please!!!」と言うことができたので、何とかここでやっていけるかな……と安心したのを覚えています。
 入園前から、アメリカでの意思表示の必要性を感じていたので、「○○,please!」,「Thank you」,「No」,「Help me」など、最低限の気持ちを表す言葉を教え、英語のハンデがあっても、もじもじしないで、人とコミュニケーションを取っていけるように練習をしました。
 このような小さな頃からの土台が、次のステップ、「自分の意見を積極的に言う」という、アメリカらしい教育へとつながっていくのかもしれませんね。


 また、アメリカの教育法で、日本とはすごく違うと感じるところ、それは「リワード(ごほうび)文化」です。子どもたちが何かを頑張った時、アメリカ人は、すぐに大げさなくらいにほめたたえます。そしてその後に、シールやおもちゃなど、小さなごほうびを与えるのです。
 日本人の考えからすると、「物で釣ってしまうと、もらうために勉強してしまい、本来の目的がわからなくなる……」と、良くないイメージを持ちがちですが、こちらでは、それが当たり前。学校でも、その方法が徹底して行われています。何かがひとつできたら1シール、それが5枚集まったら鉛筆1本など、見ていると、まるで、イルカが演技ごとに魚をもらっているみたいで、やはり少し違和感があります。
 年齢とともに、先生方はどのようにリワードの与え方を変え、子どもたちはどう変わっていくのか。これから、観察していきたいと思っています。


 最後に、アメリカで子育てをしていると、バイリンガルに育てる難しさももちろんありますが、アメリカと日本の教育に対する考え方の違いに、これからTAKUをどんな風に育てていったらいいのかな、どんな大人になってほしいのかな、といつも考えさせられます。

 例えば、今日もご紹介した、アメリカでの自己主張の大切さと、日本での、まわりとの協調性の大切さ。TAKUがこれから、日本人として、強く優しく生きていくためには、どんな軸足で教育をしていくべきなんだろう……、そんな風に、いつも迷っています。
 ただ、確信していることは、これからよりグローバルで複雑になっていく世界の中で、自分らしく活躍していける人は、その両方をバランスよく持っている人のはず。強いからこそ優しくなれるし、自己主張するためには、他者の意見をしっかりと聞かなければならない。両者は、両極にあるようで、じつは深くかかわっている。
 TAKUのいいところをつぶしてしまわないように、明るくのびのびと育てていくことできたら! TAKUの笑顔を見ながら、今日もそう思っています。


***To be continued***
次回もお楽しみに♪



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