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くりオンマ
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1980年東京生まれ京都育ち。
大学卒業後、渡豪し、自然と戯れる。
2010年、結婚を機にソウルへ。
現在は外資系企業でアナリストとして働きながら、ソウルで妊娠生活を送っている。



問題とは、従弟のこと。今日、従弟を空港から送り出すというミッションが残っていたのだ!
従弟のパスポートを預かっていたため、空港に私たちが出向くしかない。私は絶対安静のため、身動きが取れないので、旦那に行ってもらうことにした。幸い、病院から空港が近く、旦那は1時間くらいで戻ってきた。

旦那が戻ってくるや否や、手術室へ。そして、下半身麻酔をかけられる。麻酔が効いてくるとだんだん息苦しくなってきて、瀕死の状態(だったような気がした)。
旦那も手術室へ入室し、立ち会ってくれた。麻酔が効いているのを確認し、腹部切開。痛くはないが切られている感触はあった。そして、なにかごそごそしていると、先生が「もう出てきますよー」と言ってくれた。その言葉を聞いて数分後……

おぎゃーおぎゃーという産声が聞こえた。旦那も私も号泣。

手術室に入ってからわずか30分での出来事。手術しますと言われてから、わずか3時間くらいの間の出来事。
え?5時間前まで仕事してたよね……? 5時間前まではニンプだった私が、今はママ!

産声を確認した後すぐ、私の胸の上に娘を乗せてくれた。娘との初対面。予定日より3週も早く出てきたせいか、本当に小さく毛深くおさるさんのようだったが、かわいくて仕方なかった
娘とはじめてのコミュニケーションをしている間、子宮の中のお掃除をされ、おなかを縫われていた。その間もずっと気持ちが悪く、吐きそうな感覚を覚えたが、娘のかわいさにその辛さは半減。いやぁ、でも、正直苦しかったな(笑)

娘との20分程度のふれあいの時間が終わり、娘は新生児室に、私は病室へと向かった。病室に行った私は興奮冷めやらぬ状態で、寝ていいよって言われているのになかなか寝付けず。

両親、会社のみんなにまずは出産の報告メール。産まれたての娘の写真を添付してみんなに報告できるなんて時代も進んだもんだなぁ。そして、Facebookでも出産報告。ほんの数時間前まではまだおなかの中にいたのに不思議だなぁなんて思いながら、みんなに報告を済ませた。

下半身麻酔をしたら12時間は絶対安静で寝ていなければならない。これがまた苦痛。腰が痛い。その間は娘とも対面できないし、腰が痛いのをひたすら我慢。振り返ってみると、この腰痛を耐えるのが一番大変だったかも……笑。

このように怒涛の1日は終わり、夜は更けていった……

 


全4回にわたるソウル・ニンプ・ニッキも今回が最終回です。
海外での出産という事で不安いっぱいでしたが、振り返ってみると、とても良い経験になったなと思いました。日本の出産事情と韓国の出産事情は共通点が多いですが、そうでない部分も多く、両国の比較をしながらのニンプ生活を楽しむ事ができました。

海外での出産を通じて感じた事は、何に対しても言える事ですが、「郷に入れば郷に従え」(笑)。韓国はお国柄が適当、もとい(笑)大らかな部分があるので妊娠初期は不安も多かったですが、主治医と検診のたびに顔を合わせる事で信頼が生まれ、最後には本当に感謝の気持ちでいっぱいで、この先生で良かったなと思えました。
また、日本とは異なる検査項目や注意事項などもいくつかありましたが、韓国ではそのような検査などを経て、みんな健康に産まれてきてるし、ハッピーなのだからと割り切ってからはニンプ生活が格段に楽しいものとなりました。

私は、これから韓国の子育てに挑んでいきます。正直、出産よりもはるかに心配です。日本とは全く異なる育児事情が待っています。でも、持ち前の前向きな性格で明るく楽しい育児生活を韓国でこなしたいと思っております。

追伸:出産時に残っていた仕事は、上司の計らいでうまく処理できることができました(笑)


***FIN***
ご愛読、ありがとうございました!



01 / 02 /03







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