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くりオンマ
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1980年東京生まれ京都育ち。
大学卒業後、渡豪し、自然と戯れる。
2010年、結婚を機にソウルへ。
2012年4月にソウルで愛娘を出産。
現在は外資系企業でアナリストとして働きながら、子育てにも励んでいる。




こんにちは。前号まで『ソウル・ニンプ・ニッキ』を連載していたくりオンマです。
4月6日に娘を産んで早6ヶ月! 娘のハーフバースデイが近づいてきています。本当にいろんなことがありまして、ここだけでは語りきれない喜びを娘からもらいました。毎日、どんどんかわいくなっていく娘を置いて仕事に行かなければいけない日は心苦しい時もありますが、毎日、娘のためにがんばっています。
いつも支えてくれている母にはいくら感謝しても、しきれません。娘にスパルタ教育をしてくれているので、私は安心して仕事にまい進できています。また、週末も休まず頑張って働いてくれている旦那にも感謝です。これからももっと稼いできてね(笑)なーんちゃって。
それでは、私がソウルで育児をしてみて、感じた事や日常の出来事などをまとめましたので、つたない文章ですが、ぜひ読んでみてください。

緊急帝王切開で娘を出産してから何時間が経ったであろう。6日の夜から娘への母乳の授乳が始まった。まだ座ってはいけないというので、寝転がって添い寝しながら授乳する「添い乳」からの授乳開始だった。子どもにとっても、私にとっても、初めての授乳!
おい、看護師さんもなしで授乳しろと!?無理だよー!お互い不慣れで娘がちゃんと吸えない。旦那があわてて、看護師さんを呼びにいく。
添い乳の方法をレクチャーしてもらう。おぉ、娘が吸っている感じがわかる!でも、帝王切開で産んだためか、お乳のまわりが遅く、まだ私のお乳が出ていないようだ。
数週間前に受けた母親教室での言葉が頭をよぎる。
「はじめは赤ちゃんはうまく吸えないし、お母さんのお乳も出ていないけど、大丈夫。それでも、赤ちゃんはしっかり育つから」

その言葉を思い出して、泣きそうな自分を励ました。

今日は授乳室に降りていっての授乳。手術痕がとても痛いが、気合いで起きて、授乳室に向かう。
私は陣痛の痛さを知らない。陣痛の痛みはこの世のもので無いとよく表現する。でも……帝王切開の手術痕もそれなりに痛い……。起き上がるたびに声にならない悲鳴をあげたくなる。すこし横に寝返ることも辛い。つらい。ツライ。
でも、娘にお乳をあげるために、痛くてつらいが、起き上がる。ついでに、まだ、手術のあとの「おならさん」が出ていないので、絶食状態が続いている。でも、点滴の威力でおなかがすかない! 点滴ってすごいなー。
点滴をぶらぶら揺らしながら、授乳室へ。ちっちゃいちっちゃい我が娘を抱き、私のお乳を吸わせてみる。なかなかうまくいかない。看護師さんいわく、娘が早く産まれたせいで、体も小さく、口も小さいため、オンマ(ママの韓国語)のお乳をちゃんと吸えないんだとか。
でも、こどものためにがんばる。あせらず、あせらず、この子と私のペースでがんばろうと言い聞かせながらがんばる。そうでもしないと、心が折れて泣きそうになるからだ。出産後は涙もろくなるというが、本当だなと実感した。
そして、今日、実家の母がソウルに着いて、病院にかけつけてくれた。緊急帝王切開だったため、出産には立ち会えなかったが、今日、来てくれた。母の顔を見ただけで、なぜか安心した。

今日はまだおっぱいが出なかった。また明日がんばろう。

さぁ、なにが出たでしょうか(笑)おならでしょうか?お乳でしょうか?

正解は、お乳です(笑)
残念ながら、まだおならさんは出ず、絶食状態……

今朝、授乳のために授乳室に行ったところ、娘が新生児黄疸にかかったのこと。看護師さんに告げられた瞬間、涙が出た。母乳を飲ませると新生児黄疸を発症することがあるとはわかっていたが、娘に申し訳ない気持ちで胸が痛かった。看護師さんは、誰でもかかるもの。それに、娘は小さく産まれたから、かかりやすいのも事実と言われた。

重病でもなんでもないけど、治療のために、保育器に入って光線を浴びなければいけない。仮面ライダーのようなサングラスをかけられて、娘は新生児黄疸の治療に入るとのこと。


黄疸と告げられてから、次の授乳の時間。仮面ライダーに変身した娘との対面。かわいそうになって、また泣いた。まだうっすらしか前は見えないだろうけど、でも、うっすらでも見える妨げられている娘の姿を見たらたまらなかった。
でも、黄疸の一番の治療は、たくさん飲んで、たくさん排泄すること! だから、おっぱいをたくさん与えてあげようと思った。
そうそう、今日、やっと「おならさん」が出てくれて、ご飯を食べられるようになった(笑)ここ数日、点滴だけで生き延びていたのに、体重が全然減っていない! 点滴おそるべし。

今日、韓国は総選挙の日であった。病院を久々に抜け出し、近くの区役所出張所へ投票に行ってきた。久々の外の空気。数日前までは妊婦姿でここを歩いていたのに、今は1児のオンマとして、ここを歩いている。不思議だ。
娘の黄疸治療が決定したのと、帝王切開だった事もあり、「産後養生院」でもう1週間過ごすことになった。「産後養生院」。これは、日本ではまだ聞き慣れない制度かもしれないが、韓国ではかなり普及している。
出産後3〜4日程度で退院する日本とは対照的に、韓国では、3〜4日の入院を経て、2週間ほどの養生期間を病院や養生院で過ごす。
食事は1日5回! 朝食・昼食・おやつ・夕食・夜食! 太る! 韓国の産後食のてっぱんメニューは、わかめスープ。毎日おやつの時だけ除いて、1日4回出てくる。体がわかめになるかも知れない(笑)

1日目の今日は、しみ取りホクロ除去! レーザービームを当てられ、お肌のくすみをきれいきれいしてもらった。
ほくろが多い私……顔がステッカーだらけになってしまった……笑。レーザー施術をしたら、1〜2週間、日光を浴びてはいけないんですよ。でも、そんなに長期間日光を浴びず過ごすなんて、産後のこの時しかない!というわけで、この機会にホクロやシミを取る人が多いらしい。てか、産後養生院のプログラムに組み込まれている……。
産後養生院のプログラムでは、レーザー施術・むくみ取り・サウナマシーン・アロマテラピー・骨盤矯正施術・産後体操教室などなど盛りだくさんの内容をこなしていく。こどもに授乳しながらこなさなければいけないので、実は至難の業! 授乳でふらふらな上、プログラムの予定も結構つまっている。
私は、幸いと言ったらおかしいが、娘が黄疸のため、保育器で光線をたくさん浴びないといけないのと、たくさん飲まないといけないので粉ミルクを飲まさせるので(母乳と調乳の混合なのである)、授乳の間隔が他の人より長い。なので、プログラムは悠々と受けられそうだ。

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