ソウル・コソダテ・ニッキVolume.12くりおんま、「カリグラフィ」にはまる

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ソウル在住働くママ・くりおんまさんが贈る、
とれたてほやほやの『子育てソウルライフ』!

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金浦で秋が深まり始めた頃・・・なんとなく急に筆が恋しくなり、久しぶりに書道をやりたいなと思った。いや、毎年、何度か訪れる「年間行事」のようになってしまったこの感情。そう思うたびに、紙に殴り書きのように書を書いたりしてきた。

私は6歳の頃から書道を習っていた。はじめの目的は左利きを直すため。なんとも古い発想だけど、その頃はそういう親の考えのもと、習い始めた。この書道が案外続いて、15年近く習った。高校生の時には師範を取り、「それなりの」腕前ではあった。あ、書道を習うことで左利きは全然治らず、両利きになりました(笑)

社会人になっても通信教育で細々と続けたり、手書きで宛名を書く際など、代筆を頼まれたりする事も多かった。でも、こどもを産んでからは、すっかり遠ざかっていた書道。子育てがひと段落したわけでも、仕事がひと段落したわけでもないが、書道を再開したいという気持ちはどこかにずっと持っていた。

金浦のどこかで習えないかなと探していたところ、「カリグラフィ」というものに出会う。書道とはちょっと違うけども、「書く」よりも「描く」に近い、美術と書の間といった解釈であろうか。

書とアートが融合したカリグラフィの作品

書とアートが融合したカリグラフィの作品

働く私にとってはとても都合のいい家庭教師の先生が見つかった。訪問してくださるので、在宅ワークをする私にとっては好都合。私よりも9歳も若い先生。韓国では昨今、カリグラフィは人気沸騰中で、若い世代を中心に学ぶ人が多い。また、小学校の放課後授業でも書道の代わりにカリグラフィを取り入れている小学校が増えつつあるそうだ。

筆ペンでカリグラフィの世界にはじめて足を踏み入れた。一文字書いた瞬間から、その魅力に虜になり、どんどんはまっていった。暇さえあれば書くを繰り返した。筆ペンさえあれば書けるので、準備も特段必要がないのも、私には魅力的だったのかも知れない。気付いたら、作品をどんどん書き上げて、友達にプレゼントしまくった(笑)

制作風景

制作風景

額やはがきなどに書いて、友達の出産祝いや誕生日プレゼントなどにもした。思いのほか、喜んでもらえるのが嬉しくて、どんどんその魅力にはまっていった。

あまりにもはまりすぎて、InstagramやFacebookなどに私のカリグラフィ専用ページを開設する始末。三日坊主でだいたい続くものがない私であるが、書とは何か深い縁でもあるのだろうか。三日坊主癖がある私をよく理解している主人も最初は全然乗り気ではなかった。どうせ三日坊主だろうと思っていたようだ。私だってそう思っていた(笑)でも、書だけは何か違うようだ。

オリジナルアイテムも制作

オリジナルアイテムも制作

昨年後半は忙しくてほとんど活動はできなかったが、12月からまた本腰を入れてカリグラフィに向き合おうと思う。副業として、販売者許可証を出す計画も立てている。カリグラフィにはまりすぎて、こんな事になるとは(笑)でも、販売者許可をもらって、販売者として基盤を作っておけば、書とずっと関わっていけるという点では私にとってはありがたく、「年間行事」のように思いを馳せていた書への思いが整理されるきっかけになるような気がする。

日本語作品も

日本語作品も

親になっても、自分のやりたい事はやっていたいなと漠然と思っていたが、なんとなくそのような人生を一歩ずつ歩んでいるような気がする。身勝手な親だと娘は嫌うかも知れないが、私が楽しんでいる背中を見て、娘も自分の道を自分で見つけられるようになってほしいと思う。カリグラフィをはじめることで、また新たに人生にハリができ、楽しい毎日を送っている。

***To be continued***
次回もお楽しみに♪

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くりオンマ
<profile>
1980年東京生まれ京都育ち。
大学卒業後、渡豪し、自然と戯れる。
2010年、結婚を機にソウルへ。
2012年4月にソウルで愛娘を出産。
現在は外資系企業でアナリストとして働きながら、子育てにも励んでいる