<著者プロフィール>
内田 洋平(うちだ ようへい)
1978年生まれ。
幼少より3度の飯よりゲーム好きのコアゲーマーとしてすくすくと成長。
途中、海外で生活してみたり、有限会社の代表をやってみたりと自分でも適当な人生送ってんなぁと思いつつ、いつのまにか某大手ゲーム会社の子会社にてオンラインゲームの「コンテンツプロデューサー」という立場なってる行き当たりばったりな男。
小さなころからゲームに関わる仕事がしたいと思っていたら、今までついた仕事は全てゲーム関係という理想の状態に。
いや、現実はなかなか甘くないなんて愚痴は言いませんよ。
あぁ、この先ゲーム関係以外の仕事に就くことは無理なんだろうなぁ〜。


さて、それでは今現在主流となっている第7世代を見ていくことにしましょう。

まずは第5世代&第6世代の覇者ソニーより発売となった「プレイステーション3(以下、PS3)」についてですが、はっきりいって大苦戦中です。

プレイステーション3(ソニー)

原因として

独自の開発環境が必要になるがゆえ開発コストが高く、参入メーカーが少ない。
発売タイミングがXbox360に比べ1年近く後発だった。
初期に発売になった本体には「PS2」との互換があったのだが、互換性が低く一部タイトルが動作しない。
なおかつ、現在発売している本体では互換がコストカットの理由からなくなっている。
新しいメディアとしてブルーレイディスクを採用しているが、普及率が低い
本体価格が圧倒的に高い。

と、まさに勝利の方程式の真逆を行く状況です。

ただ、次世代メディアとしてHDーDVDと争っていたブルーレイディスクが、勝利したため今後の普及率によっては化ける可能性はありますが、 DVDプレーヤーよりも安かったPS2の時とは異なり、ブルーレイプレーヤーよりもPS3のほうがはるかに価格が高いため、ゲーマー以外の新規ユーザーを 獲得するのは難しいのではないかと筆者は考えています。

それに、現状ゲーム業界も不況のあおりを受けているため、開発費が膨大に掛かるPS3ソフトはメーカーのリスクがかなり高く、体力の多い企業でしかソフト開発ができないことも問題です。

次に、かつて覇者であったものの、第5・第6世代でソニーに水をつけられていた任天堂は2006年12月に「Wii」を発売しました。
そして、現時点で
かなり優位に立っています。

『Wii』(任天堂)

その勝因を分析すると、

表示能力は前世代のものではあるが、Wiiリモコンという新しいインターフェイスを採用することでライトユーザの取り込みに成功した。
発売タイミングは最後発であったが、遊び方が独特であるため他の比較ができないオリジナリティーを持っている。
「ゲームキューブ」との互換性を持っている。
メディアはDVD
本体価格が安い。

さらに重要な点として「Wii」遊び方が独特のものであり、他の機種とは一線を画すものであることです。
Wiiリモコンを使用した直感的な操作方法は、発売前には賛否両論がありました。

ただ、「Wii」が成功する可能性を高めていた要因は以前からあったのです。
それは
「Nintendo DS(以下、DS)」の存在にほかなりません。
ご存知のとおり、
「DS」はタッチパネルという新しい操作方法を盛り込んだ携帯ゲーム機です。
その斬新さゆえ、発売しているソフトは単純なゲームだけではなく知育といった方向性も開拓しました。
それゆえ、Wiiをゲーム機としての見方だけではな
くエンターテイメント機としての存在まで昇華することができ ライトユーザーの獲得につながったのだと筆者は考えます。
その良い例として、「Wii Fit」という運動機器に近いスタンスのものが300万本以上の大ヒットを生み出しました。
これは、今までのゲーム機では考えられないことで、Wii自体の特異性を表しているものです。

ただし、Wiiにも死角が無いわけではありません。
それは、逆にその独自性がゆえ、
機能を活かしきったゲームを作ることが難しい、ということです。
これは独特の操作方法が、作り方次第では逆に不便になることがあるということです。
それゆえ、なかなかタイトルラインナップが揃いずらい現状です。
今後のアイデア次第では、爆発的なヒットが見込めますが、そこには今までのゲーム開発とは異なる視点からの アイデアが必要になるということです。


最後に、前世代から参入したマイクロソフトの「Xbox360」についてですが、今一番勢いのある機種です。

現状を分析すると、

Xbox360』(マイクロソフト)
日本でも海外タイトルがどんどん参入することで、参入メーカーとタイトルが多い。なおかつ、開発がWindowsベースなので、開発コストが低くPCへの移植も容易。
ほかの機種に比べ1年近く早く発売している。
Xboxとの互換を持っている。
メディアはDVD
本体価格が安い。

上記条件だけ見れば、圧倒的勝利を収めていてもおかしくない状況ですが、発売当初はぜんぜんでした。
なぜならば、どうしても
海外産のイメージが払拭できず、一部のコアなユーザー以外からは敬遠されていました。
しかしながら、ここ最近は海外メーカーの技術力の上昇によるゲーム自体のクオリティがかなり高くなっていたり、スクエアエニックスのタイトルが独占で発売されることで、
新規ユーザー獲得に大きく貢献したりと 現在大躍進を続けています。

その他、今のゲーム市場のメインストリームは海外に移行しているため、日本の多くのメーカーが海外での展開を主眼におきつつあります。
そんな中、海外で圧倒的な人気を誇る「Xbox360」は、各メーカーにとって参入必須の機種になっているのです。
日本国内だけで見れば、まだまだな部分もありますが、今後伸びてくることが予想できる機種です。

さて、現在のゲーム機までを見てきていただきましたが、実は大変重要なことがあるのです。
それは、そもそも据え置き機自体が現在低迷している、ということです。
今現在のゲームシェアは「DS」が7割を超えるシェアを誇るまでに爆発的に普及しおり据え置き機の存在を脅かしているのが現実なのです。
今後この状況は、ますます加速することになるでしょう。
なぜなら、開発コストの圧倒的な安さ、「DS」自体の普及率の高さ、ゲーム以外のジャンルでの展開が可能、といった要素があるからです。
筆者個人的には据え置き機での圧倒的なスケールは大好きなのですが、ゲームというものを考えると携帯ゲーム機であっても 本質は変わらないものです。

今までのゲームの歴史を鑑みると、常に流行は変わるものですし、遊び方のスタイルも変化するものです。
ただ、どれが正しいということではなく、あなたなりの遊び方を探していくことが素晴らしいゲームライフにつながるのではないでしょうか。

では、あなたにとって幸多からんゲームライフを。

あ、書き忘れましたが任天堂黒歴史の「バーチャルボーイ」について、本体はヘッドマウントディスプレイなのですがその重さから3脚をつける必要がある素敵な商品。

左右で異なる映像を映し出すことで、立体画面を実現したその当時未来的な機種だったのですが、赤色のみしか発色できない残念な商品だった。


バーチャルボーイ』(任天堂)

それゆえ、発売から数ヶ月で消えてしまうが、いまやその希少さゆえ一部のマニア涎髄の一品だとか・・・。

もちろん発売日に買いましたが、なにか?



***To be continued***


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