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大宮冬洋 omiya toyo
1976年埼玉県生まれ。フリーライター。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職するがわずか1年で退職。編集プロダクションを経て、2002年よりフリー。雑誌、web、書籍などで活躍する。著書に『30代未婚男』『ダブルキャリア』(ともに共著、NHK出版生活人新書)、『バブルの遺言』(廣済堂出版) がある。最新刊は、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵〈ストーリー〉』(ぱる出版)。


BPnetビズカレッジにて『「ロス女」vs「ボク様」50番勝負』を好評連載中。
ブログ『実験くんの食生活』を毎日更新。
2011年9月より、毎月1回主催イベント『スナック大宮』を開催。2012年の開催予定は1月18日、2月15日、3月21日、4月18日。

洪愛舜 Hong Ae Sun
1977年大阪府堺市生まれ。
立命館大学理工学部卒業後、出版社勤務などを経てフリーランスのライター・編集者に。編集プロダクション「econ(エコン)」主宰。
著書『もやもやガール卒業白書』(MMR)がある。
『econ-mag』編集長。





     
 

洪愛舜さま

こんにちは。大宮です。
今日は大晦日ですね。
一つ恥ずかしい無知を告白すると、僕は「12月31日が大晦日だから12月30日が晦日だ」と思っていました!
つい最近、「晦日は毎月末の日を指す言葉だよ」と指摘され、長年の間違いに気づいたのでした。クリスマスイブじゃあるまいし…。
幼い頃、「おめでとう」と「おめぜとう」だと思い込んで、すべての年賀状に「明けましておめぜとうございます」と書いていたのを思い出しました。バカですね。

さて、子育てで仕事にブランクができてしまう話を興味深く拝読しました。
僕も3日ぐらい原稿を書かないと「勘が鈍る」気がして怖くなります。
それが3年ともなると気が遠くなりますよね。
ただ、会社員になることも含めて柔軟に考えているのであれば、それほど恐れることもないのではないでしょうか。

ご存知の通り、僕は昨年まで「オレは作家だから書きたい記事しか書かない」的なスタンスを3年ぐらい続けて、仕事量が半分ぐらいになっていました。
昨年末に貯金が枯渇して、にっちもさっちもいかなくなり、1ヶ月ほどかけて昔の仕事仲間に頭を下げて回ったのでした。生意気言ってすみませんでした、今後は仕事を選んだりしないのでよろしく、と。

全員ではありませんが、何人かは「そうなんだ。じゃ、また一緒にやろう」と仕事をくれました。胸が熱くなるほど嬉しかったし、本当にいろんな仕事(赤ちゃん教育雑誌とか)が来たので必死で書きまくりました。自分のことを
モヤモヤと考えている余裕すらありません。最初の頃は体が鈍っていて取材や原稿書きにかつての倍ぐらいの時間がかかったのですが、3ヶ月ほどで完全に元に戻りました。

いま改めて感じるのは、「ちゃんと仕事をしていれば、ブランクがあっても誰かが覚えていてくれて助けの手を差し伸べてくれるし、自分の体も仕事を覚えている」ということです。

「今だったらもっとうまく会社員できるんじゃないかな」という洪さんの感想はわかるような気がします。
仕事に対して「大人になった」ということですよね。
僕も今年は同じような感想を自分に対して抱いた一年でした。
いままでは「オレ的な作品を書かなくちゃ生き残れない」という自己顕示欲混じりの焦りの気持ちが強かったのですが、最近は「どんな仕事でも自分らしさは出る。あえて意識しなくても大丈夫」と思うようになりました。

いま、すごく久しぶりにゴーストライティングを請け負っています。著者の方にインタビューをして本の原稿を作る仕事ですね。
この原稿に「オレ的」な要素はまったく必要ないのですが、むしろ自分を抑えて著者になり代わって粛々と書き、納期もキッチリ守るという職人仕事に自分らしさを感じたりしています。テーマは栄養学関連という僕がまったく知らない
分野なので、書きながら知識がどんどん頭に入ってくる感覚も面白いです。
マーガリンが人工的に作られた油だなんて知りませんでした…。
僕も無知も少しは改善されるかもしれませんね。

また思い悩むタイミングが来ると思いますが、しばらくはこの調子で無心で働こうと思っているこの頃です。

 

 

 

 

大宮冬洋

2011/12/31 12:44
 
     


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