洪愛舜さま
返信遅れてすみません。
3月に新刊を出せることになり、原稿に追われています。
新卒で入ったユニクロ町田店(2002年に閉店)の元同僚たちを訪ね歩きながら、あれこれ考えるという内容です。
先日は、関係が良かったとは言えない元店長(この人も退職済み)と10年ぶりに再会し、「大宮くんには申し訳なかったと思っている。ちゃんと指導しなくて……」と謝られ、黒くわだかまっていた何かが体から抜けたような気持ちになりました。
センチメンタルな本になりそうです。
さて、「想定の範囲内の人生」を送っていると言い切る洪さんはすごい、と思います。
「子どもの頃には予想もしなかった現在だぜ」と言ったほうが、型破りでカッコイイし、予想外の幸福を得たというプチ自慢にもつながるからです。
冷静に考えると、毎日を面白く楽しく生きながらも現状が想定の範囲内に留まるというのは、最初から想定が柔軟かつ豊かな証拠でしょう。
僕の場合は、大学を卒業するまで「エリートサラリーマンになる。相変わらず東京在住」という人生しか想定していませんでした。
なんとも乏しいイマジネーションですね。
だけど、想定内であるはずの目標(ユニクロに入って3年後には経営層に入る、など)を立てると、後から想定自体が間違っていたことを思い知らされるのです。
で、意気消沈しながらも目標という束縛から離れてスッキリした気分で過ごしていると、自分と相性のいい仕事や他人と巡り合えたりします。挫折して少しは謙虚になっているだけかもしれませんが……。
もしかすると、「3年後にオレはこうなる」なんていう大それた目標を立てるのは、人生に対して不遜な態度なのかもしれません。目標が遂げられなくていじけたり、目標に縛られて固くて小さな人間になってしまったり……。
目標を立てるのであれば、長くて3か月単位、できれば洪さんのように「今日一日」単位にすれば、現実の自分とのかい離が少なくなり、自由度も上がる気がします。
というわけで、僕の目標は2か月後の新刊をできるだけ良い本にすることです。
その先は考えないことにします。
大宮冬洋
2013/01/14 14:10
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