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大宮冬洋 omiya toyo

1976年埼玉県生まれ。フリーライター。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職するがわずか1年で退職。編集プロダクションを経て、2002年よりフリー。雑誌、web、書籍などで活躍する。著書に『30代未婚男』『ダブルキャリア』(ともに共著、NHK出版生活人新書)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵〈ストーリー〉』(ぱる出版) がある。最新刊は『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)。

ヤフーニュース個人にて「今朝の100円ニュース(無料)」を、日経BPネットにて「『仕事恋愛』の理論と実践」を、NHK出版のブログメディア「あしたの生活」にて、30代の悩みというテーマで自分自身に取材するルポエッセイ「30代のもやもや」を好評連載中。
雑誌連載も多数。
ブログ『実験くんの食生活』を毎日更新。
東京・西荻で主催イベント『スナック大宮』を、愛知県蒲郡市で『昼のみスナック大宮』を、毎月各1回開催。今後の開催予定は、『スナック大宮』は11月20日(水)19:00〜(事前予約制、早めの予約推奨)、『昼のみスナック大宮』は11月24日(日)15:00〜(予約不要)。
11月16日(土)には、「東京世話焼きおばさんの縁結び」が主催する「出張!スナック大宮」も開催(要予約・詳細をリンク先をご確認ください)。


洪愛舜 Hong Ae Sun
1977年大阪府堺市生まれ。
立命館大学理工学部卒業後、出版社勤務などを経てフリーランスのライター・編集者に。編集プロダクション「econ(エコン)」主宰。
著書に『もやもやガール卒業白書』(モバイルメディアリサーチ刊)、主な編書に『ひみつの箱』(著:きむらゆういち・講談社刊)、『朝5分 ヒミツの美ワザ55―プロが教える"整形レベル"のメイク&ヘアテクニック集』(著:新見千晶・主婦の友社)、『なるほど!食の新常識』(著:加藤雅俊・トランスワールドジャパン刊)『バイバイ。』(著:李慶子・アートン刊 日本児童文学者協会新人賞受賞作)、『コリアンサッカーブルース』(著:藤井誠二・アートン刊)、『食べてキレイ。』(著:園山真希絵・アートン刊)などがある。
『econ-mag』編集長。





     
 

洪愛舜さま

こんにちは。大宮です。
僕も元気にしています。
仕事とプライベートの優先順位について、興味深く拝読しました。
僕を含めた男性はひたすら仕事が優先の生活をしているので、洪さんのような仕事仲間から「仕事の優先順位が下がった」と告白されるとドキリとします。
最近は男性が育児休暇を取得することも珍しくありません。でも、そのまま専業主夫になった人は僕の周囲には一人もいません。仕事ができる男性が、好奇心とチャレンジ精神を発揮して一時的に育児に専念しさらに素敵な男性に成長する、というストーリーが多い気がします。
男性が「仕事」抜きでアイデンティティを維持するのは難しいのです。

さて、スポーツについて。
洪さんから「どんなスポーツが好きですか?」と聞かれたとき、「相変わらず鋭くえぐって来るな……」と思いました。
僕はスポーツ全般が嫌いというか苦手です。「意味もなく汗かいたり疲れるが嫌」「体育会的な人間関係が気持ち悪い」などの理由をいろいろつけていますが、原点は少年・青年期の悔しい思い出にあります。
社会人になってからの男性が寄って立つところが「仕事」であるならば、10代の男の子は「スポーツ」がパワーの根源にあります。
たまに音楽などの文化活動で目立つ人もいますが例外中の例外。人気と権力を一身に集めるのはスポーツマンですよね。
僕もスポーツマンになりたかったのです。小学校ではサッカー、中学校ではバレーボール、高校ではハンドボールを選択。しかし、どんなにがんばって練習してもレギュラーにすらなれず、次第にふて腐れてしまいました。エネルギーを受験勉強に振り向けてある程度の成果を上げたものの、ガリ勉がモテるわけはありません。我ながら灰色の10代を過ごしたなあ、と思っています。

洪さんからのメールを読んで気づいたのですが、僕はなぜか「チームの球技」ばかりを選んできました。
チーム競技や球技が得意だからではもちろんありません。直感と雰囲気だけで種目を選んで失敗しました。
冷静に振り返ると、スポーツで僕が平均以上に活躍できたのはマラソン大会のみです。確か、学年のマラソン大会で20位以内だったと思います。一人でコツコツと努力するのは得意なほうだし、球技のような器用さや瞬発力を求められないのもいい。陸上部に入って中長距離を真面目に練習していれば、校内レベルでは活躍できたかもしれません。

働き方とスポーツを照らし合わせるのは面白いですね。
僕は新卒で入ったユニクロの店舗業務は徹底的に不向きでした。協調性や瞬発力が求められる点で、「チームの球技」に近い仕事だったと思います。そういえば、現場で大活躍していた先輩社員は二人とも野球部出身でした。
一方で、フリーライターという仕事は中距離走に似ています。他の選手との競争や駆け引きは多少ありますが、基本的にはマイペースに実力を伸ばしていくことができます。
たまには先達の助言を仰いでフォームを形成することが大切です。でも、最もやるべきはとにかくたくさん走ること(書くこと)ですよね。長期的なキャリアを考えると、組織で働く人に必要な器用さはフリーライターのような職人にはむしろ邪魔になる気がします。

大宮冬洋

2013/10/26 15:47
 
     


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