洪愛舜さま
こんにちは。大宮です。
僕も元気にしています。
仕事とプライベートの優先順位について、興味深く拝読しました。
僕を含めた男性はひたすら仕事が優先の生活をしているので、洪さんのような仕事仲間から「仕事の優先順位が下がった」と告白されるとドキリとします。
最近は男性が育児休暇を取得することも珍しくありません。でも、そのまま専業主夫になった人は僕の周囲には一人もいません。仕事ができる男性が、好奇心とチャレンジ精神を発揮して一時的に育児に専念しさらに素敵な男性に成長する、というストーリーが多い気がします。
男性が「仕事」抜きでアイデンティティを維持するのは難しいのです。
さて、スポーツについて。
洪さんから「どんなスポーツが好きですか?」と聞かれたとき、「相変わらず鋭くえぐって来るな……」と思いました。
僕はスポーツ全般が嫌いというか苦手です。「意味もなく汗かいたり疲れるが嫌」「体育会的な人間関係が気持ち悪い」などの理由をいろいろつけていますが、原点は少年・青年期の悔しい思い出にあります。
社会人になってからの男性が寄って立つところが「仕事」であるならば、10代の男の子は「スポーツ」がパワーの根源にあります。
たまに音楽などの文化活動で目立つ人もいますが例外中の例外。人気と権力を一身に集めるのはスポーツマンですよね。
僕もスポーツマンになりたかったのです。小学校ではサッカー、中学校ではバレーボール、高校ではハンドボールを選択。しかし、どんなにがんばって練習してもレギュラーにすらなれず、次第にふて腐れてしまいました。エネルギーを受験勉強に振り向けてある程度の成果を上げたものの、ガリ勉がモテるわけはありません。我ながら灰色の10代を過ごしたなあ、と思っています。
洪さんからのメールを読んで気づいたのですが、僕はなぜか「チームの球技」ばかりを選んできました。
チーム競技や球技が得意だからではもちろんありません。直感と雰囲気だけで種目を選んで失敗しました。
冷静に振り返ると、スポーツで僕が平均以上に活躍できたのはマラソン大会のみです。確か、学年のマラソン大会で20位以内だったと思います。一人でコツコツと努力するのは得意なほうだし、球技のような器用さや瞬発力を求められないのもいい。陸上部に入って中長距離を真面目に練習していれば、校内レベルでは活躍できたかもしれません。
働き方とスポーツを照らし合わせるのは面白いですね。
僕は新卒で入ったユニクロの店舗業務は徹底的に不向きでした。協調性や瞬発力が求められる点で、「チームの球技」に近い仕事だったと思います。そういえば、現場で大活躍していた先輩社員は二人とも野球部出身でした。
一方で、フリーライターという仕事は中距離走に似ています。他の選手との競争や駆け引きは多少ありますが、基本的にはマイペースに実力を伸ばしていくことができます。
たまには先達の助言を仰いでフォームを形成することが大切です。でも、最もやるべきはとにかくたくさん走ること(書くこと)ですよね。長期的なキャリアを考えると、組織で働く人に必要な器用さはフリーライターのような職人にはむしろ邪魔になる気がします。
大宮冬洋
2013/10/26 15:47 |