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くりオンマ
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1980年東京生まれ京都育ち。
大学卒業後、渡豪し、自然と戯れる。
2010年、結婚を機にソウルへ。
2012年4月にソウルで愛娘を出産。
現在は外資系企業でアナリストとして働きながら、子育てにも励んでいる。




韓国で育児にお仕事に奮闘するくりオンマさんの育児日記です。2012年4月に生また愛娘・くりちゃんも、1歳を迎えました。韓国では盛大に祝われるという1歳のお誕生日――『トルチャンチ』。今回は、そんなくりオンマさんの『トルチャンチ』のようすからスタートです。(編集部)

あれからもう1年……2012年4月6日、朝起きてから出産までの目まぐるしい1日を鮮明に覚えている。そう、娘が産まれて今日で1年が経過した。よく食べ、よく寝るうちの娘は振り返ってみれば、本当に手のかからない子だったなと思う。ちょっと突出して活発であるため、最近手を焼く事も多いが、娘の成長過程で特別悩むような事もなく、この日を迎えた。
韓国では「トルチャンチ」といって、1歳のお誕生日を家族や親戚が集まって、盛大に祝う。我が家は、私の希望で伝統的な雰囲気の中でやりたいということで、韓定食屋さんを3ヶ月ほど前に予約した。トルチャンチ当日の料理はお祝いの席だという事で、クジョルパン(8種類の色とりどりの具をクレープのような薄い生地に包んで食べる料理。お祝いの席などでよく見られる)のある韓定食のコースにした。
この「トルチャンチ」でメインとも言えるのが「トルチャビ」という、その子の将来を占う儀式とされているイベント。これは、お金や糸、はさみ、紙などを子どもの前に置いて、子が何を取ったかにより、その子の未来を占うといったものである。
我が家のトルチャビでは、お店の方が司会者さんになってくれて、宴席を盛り上げてくれた。娘の前には、お金、糸、はさみ、紙、ふで、すずりなどが並べられた。前日、冗談で「お金を取ってほしいという親の勝手な願いもあるよねー」などと夫婦で話していたが、実際に娘が取ったものは……五方色紙。これに込められている意味は、「華麗なる人生」。お金よりもっと素敵じゃなーい!と、家族で盛り上がった。

歩きづらい韓国の伝統衣装チョゴリを着せられて、娘は若干不機嫌(笑)娘の首に下げている長い糸は長寿を祈願するものらしい。

こんなに慌しい祝宴もはじめてだったかも! 子供を着替えさせて、自分も着替えて、まだ脱いで、娘のご飯食べさせて……忙しい一日でしたが、良い思い出になりました。

昨日、保育園から1本の電話があった。明日から、保育園の給食を食べさせるというのだ。今までは離乳食を持たせていたのだが、娘が全然興味を示さないらしい(笑)保育園のお友達やお姉ちゃん、お兄ちゃんが食べているものと同じものをどうやら食べたがるようだ……。
そうか……仕方がない。いい風に考えれば、もうお弁当から開放されるわけだし♪ さぁ、今日のメニューは何かなーと思ったら……なんと、トンカツ(笑)しょっぱなからトンカツと来たか!(笑)娘がトンカツなんて食べられるのかなと思いつつも、先生にお任せする事に。

お迎えの時聞いてみたら、保育園でお昼をしっかり食べたとの事。勇気を振り絞って「トンカツはどうしたんですか」と聞いてみたところ、脂身を取って小さく刻んであげたら、すごくおいしそうに食べていたそうな……なーんだ、もう普通にいろんな物が食べられるのね(笑)と思う一方、本当にあげていいものなのか?という疑問も出てきたが、先生は子どもを育てるプロなんだし、お任せしようと心に誓ったのであった。

よちよち歩けるようになってきた娘のために、デパートへファーストシューズを買いに行った。先輩ママ達から「足がしっかり固定される靴がいいよ」というアドバイスを受けてはいたが、どんなものを選べばいいのか、初めてのことで戸惑う。
デパートの子ども用品売り場に着き、靴を求めてウロウロ。ウロウロしたところで、どれを買えばいいのかがわかるわけがない(笑)目の前に飛び込んできた靴専門店に入り、ファーストシューズを探している旨を伝えた。このお店に陳列されている靴を見ると、お花やレースの飾り付けがどっさりされた靴が……。こ、これはファーストシューズにしてはちょっと歩きづらいのではないかな……と内心思いながら、店員さんの反応を見た。
幸い、そこには14センチからしか靴が置いていないため、娘の足の大きさには合わないという事が判明。そして、その店員さんが教えてくれた別の靴専門店へと足を進めた。
移動した先は運動靴を中心とした靴が多く、私のイメージしたものに近い靴が見つかりそうな予感がした。どんなものがいいかなと選びたかったが、店員さんが出てきて、娘の足のサイズに合う靴はたった2つとの事……夏に向かう季節だから、メッシュタイプのものにした。
日本のように足のサイズをメジャーで計ったり、足先が透明な靴があったりするわけではなく、店員さんが娘に靴を履かせてみて、たぶんこれくらいだねって言ってくれるだけ。
後日談だが、ファーストシューズを店員さんのアドバイスで14センチで買ったのだが、7月に日本で計ったら、娘の足のサイズはまだ12.5センチだった事が判明(笑)そりゃ、娘の靴がよく脱げるはずだわと、その時悟ったのであった。

しかし、何よりも……値段に一番驚いた! 高い! 私かて、そないに高い運動靴は買わんよ! だいたい、A○Cマートとかでセールになっている靴の中から選ぶから、こんな高い靴を買うのは久々で心臓がドキドキした(笑)この靴、どれぐらい履けるんやろうか……

家族で1歳のお祝いはしたけど、今度は新生児室の同期達とのパーティーだ。韓国では平均2週間の産後ケアを病院や専用施設で行うため、ママ達がやたらと仲良くなる(笑)新生児室の横の授乳室でおっぱいをあげながら、これからの悩みなどを分かち合う仲になるのだ。その関係は退院後も続き、毎月のように集まっては子どもの成長を一緒に見てきた。その仲間達との1歳のパーティー。
パーティーに必要なお飾りなどはなんと病院が提供してくれる! 場所も病院内にある広々としたお部屋を貸してもらえる。もちろん無料

娘はこの日のために、ドレスを新調した。買う必要があったのかと言われれば否だが、ただ私が買いたかっただけ(笑)1歳用のドレスも韓国では種類がとても豊富だ。盛大に祝うためか、1歳用のドレス屋さんだけでもインターネット上で何軒もヒットする。
しかし、パーティーに行ってみると、みんなちょっとよそゆきのお洋服といった感じで、娘だけが派手なドレスを着ていた。他のママ達は、「私も準備すればよかった〜」と、娘のドレスを羨ましがっていた。

同期の中では一番小さく産まれ、黄疸がちょっと長引き、インキュベーターにいる期間も少し長かった娘だが、1年経った今、ただのガキ大将になってしまった……他の子達はママべったりなのに、うちの娘は部屋中を駆け巡り、全部触ってみては舐めてみてを繰り返す。他のママ達も認めるおてんばっぷり。元気に育ってくれている証拠だね、ありがとう。

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