知念勇喜 chinen yuuki
profile
1960年生まれ。沖縄の老舗企業・タカダグループにて、フィットネス・カルチャー事業部の部長として波之上スイミングスクールと3店舗のTSUTAYAの運営に携わる。TSUTAYA那覇新都心店は、TSUTAYA STAFF CONFERENCE 2008にて準グランプリを受賞。二女を持つ父親として地域の絵本朗読活動に参加しながら、企業の子育て支援にも力を注いでいる。


地元児童館への絵本の贈呈イベントでのひとこま。子どもたちが喜ぶ顔が何よりうれしい、と知念さん(右端)。



6回目となる今回は、このコーナー始まって以来の地方遠征です(しかも、沖縄!)。
今回のゲスト、知念勇喜さんは、おおらかで深い笑顔を持つ、生粋の「沖縄人」という印象。大好きな泡盛を片手に、丁寧にお話してくださいました。

「僕が一番たいせつにしているものは、家族と部下です」
沖縄で80年の歴史を持つタカダグループで、スイミングスクール部門を担う波之上スイミングスクールと、那覇で3店舗展開するTSUTAYAの運営に携わっている知念さん。そして、14歳と10歳の子どもを持つ父親でもあります。

「もともと、女房と子どもが地域の図書館で絵本の読み聞かせサークルで活動していたんです。その影響を受けて、自分も絵本の大切さを知ることになりました」

ご自身も子育てに参加し、企業として子育て支援に取り組みたいと考えた知念さん。そのとき、TSUTAYA那覇新都心店をオープンすることになったのです。

「弊社はもともとスイミングスクールもやっていたので、マタニティコースなどもあって子育て支援ができる環境にありました。ただ、TSUTAYAというとレンタルビデオやCDのイメージが強く、絵本や児童書は主流ではない。それがもったいないと思ったんです。だから、児童書コーナーを作らないと、って」

スイミングスクール・フィットネスクラブという『ハコ』と絵本という『コンテンツ』をうまく活用して、企業として子育て支援に取り組めないか。知念さんの熱意が役員の方々にも伝わり、タカダグループは、児童館に絵本を贈呈したり店舗で絵本の読み聞かせイベントを行うなど、地域に根ざした子育て支援に取り組むようになりました。

「今は弊店が主催して読み聞かせイベントなんかをやってるんですが、目標は、地域の人がお店をどんどん使ってもらって、自然と人が集まる場所になればいいと思います。それにはまだまだ達していません。早くそうなれるよう、地域に根付いた活動を、これからも続けていきたいと思っています」

会社が会社をあげて子育て支援に取り組む。これは、そこで働く社員たちの意識をも大きく変えると、知念さんは言います。

「僕が取り組みを始めたのは、ここ3、4年のこと。長女とは、2年ぐらいは一緒に活動できましたが、本当に小さいときには一緒にできなかった。だから、これから子育てをする20代30代の部下たちには、両親が一緒に子育てに取り組みことの大切さを、わかってもらえたらいいなぁと思います。
強制は、したくないんですが、わかってほしい。僕は少し遅かったという思いがあるから、部下たちに子どもができて、いざ子育てをするときに、きづいてほしいですね。そして、それをまた後輩に返してくれたら、と思います。それが今の僕の目標です」

01 / 02

text by Hong Ae Sun
 
本サイト内の記載内容についての無断転用を禁じます。
Copyright(c)2008 econ & Hong Ae Sun