PSPを新しいステージへと押し上げた
驚異のソフト『MHP2ndG』 そんな、任天堂のDSですが、実は同時期にソニーもPSPという携帯型ゲーム機を発売しています。
現時点での販売台数はDS 2200万台に対してPSP 800万台と、ほぼ3倍。大きく水をあけられています。
ですが以前はもっとひどい状況で、一時は電車内でDSを遊んでいる人は多いが、PSPを遊んでいる人は皆無という状態でした。
しかし、ここ最近電車内でPSPを遊んでいる人を多く見かけます。
特にファミレスやマクドナルドに入ると、何人かで固まってPSPを遊んでいる集団を目にしたことがあるかもしれません。
そんな彼ら・彼女らが遊んでいるゲームが、今回紹介するもう1本「モンスターハンターポータブル2nd G」(以下、MHP2ndG)です。
モンスターハンターシリーズは、広大な自然を舞台にハンターとして狩猟生活を行う3Dアクションゲームです。クエストと呼ばれる依頼で、特定のモンスターを最大4人で狩猟することで、報酬としてお金と、そのモンスターの素材(皮、骨、角など)を手にいれ、それらの素材を使用して、新しい武器や防具を作り上げ、また狩りに出発というのがゲームの大きな流れになっています。
その販売本数は本作だけで200万本を突破し、PSP史上最も売れたゲームになっています。
前作も160万本以上売れた大ヒット作になっていますが、「脳トレ」と比べてしまうと、どうしても本数が見劣りします(※注1)。
ですが実は、この本数はとんでもない数なのです。
何がとんでもないのかといいますと、本作が発売されたのは今年の3月27日、200万本を突破したのが4月24日、ということは約1ヶ月で200万本を販売したことになります。
「いや、昔はFFやドラクエで1週間で200万本とかあったよね」と思う方もいるかと思いますが、再度ゲーム機本体であるPSPの販売台数を確認すると、800万台となっています。
当然この中にはMHP2Gと一緒に本体を購入した分も入っていますので、そのすごさが理解できるかと思います。
さて、これだけ売れたMHP2ndG、売れた要因はどこにあるのでしょう。
実は、この部分が「脳トレ」のと大きな違いで、ゲームというものの本質に関わる部分なのです。
ゲームというのは、一定のルールに沿った形で物事を行い、それにより対価を得るということです。
そして、ルールが多ければ多いほど、ゲーム性は高くなり、より大きな対価を得ることができます。
「MHP2ndG」は、携帯ゲーム機とは思えないほどの映像クォリティの高さが生み出す迫力、
数多くの武器やアイテムを収集していくコレクション要素、自分よりはるかに大きいモンスターを相手に挑むことへのスリル、装備する武具によって外観が変化していくカスタマイズ性など興奮度や中毒性の高さ、モンスターを狩った際の達成感など大きな対価を得ることができます。
ですが、これだけだと今日の大ヒットには繋がらなかったはずです。
なぜならば、操作方法の複雑さ、数多くのアイテムがあるがゆえの情報量の多さ、
登場するモンスターごとの特徴など、そのルールは複雑に絡み合っているがゆえ、
逆に敷居の高さはかなりのものだからです。
実際、シリーズ第1弾の「モンスターハンター」は約29万本、次の「モンスターハンターG」は約30万本、「モンスターハンター2(ドス)」は約58万本と売り上げは伸ばしているものの、ミリオンには遠い状態でした(※注2)。
では、なぜ200万本を超える大ヒットを生み出せたのか?
実は、上記シリーズタイトルは全てプレイステーション2(以下プレステ2)という据え置き機で発売されたものだからです。
違いは何か?
なぜ携帯ゲーム機であるPSPだと売れるのでしょうか?
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