<profile>
大宮冬洋 omiya toyo
1976年埼玉県生まれ。フリーライター。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職するがわずか1年で退職。編集プロダクションを経て、2002年よりフリー。雑誌、web、書籍などで活躍する。著書に『30代未婚男』『ダブルキャリア』(ともに共著、NHK出版生活人新書)、『バブルの遺言』(廣済堂出版) がある。最新刊は、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵〈ストーリー〉』(ぱる出版)。


BPnetビズカレッジにて『「ロス女」vs「ボク様」50番勝負』を好評連載中。
ブログ『実験くんの食生活』を毎日更新。
2011年9月より、毎月1回主催イベント『スナック大宮』を開催。

洪愛舜 Hong Ae Sun
1977年大阪府堺市生まれ。
立命館大学理工学部卒業後、出版社勤務などを経てフリーランスのライター・編集者に。編集プロダクション「econ(エコン)」主宰。
著書『もやもやガール卒業白書』(MMR)がある。
『econ-mag』編集長。





     
 

大宮冬洋さま

さっそくのお返事、ありがとうございます。
大宮さんの「お客さん」に対する考察、大変興味深く読みました。
私は、やっぱり仕事って「BtoB」より「BtoC」の方が面白いし楽しさもあるように思います。
4年ほど前、勤め先を辞めて独立することにしたとき、当初は広告制作のお仕事も請け負うつもりでいたんですが、広告制作というド直球に「BtoB」の仕事スタイルが全然面白くなくて、「せっかく『フリーランス』っていうハイリスクな生き方選んでるのに、面白くないことなんてやってられない」と思い、数件こなしたところで編集とライター業務のみに軌道修正しました。
でも、改めて思ってみると、編集やライター業も、「BtoB」なんですよね。
どう考えても。
単行本は、直接読者に届けることができるから、「BtoC」のように思ってしまいますが、作っている過程は完全に先方=出版社という「企業」ありきなので、エンドユーザーさんと直接やりとりする、というわけではないですもんね。
ライターや編集としてBtoCを実現するには、有料のメルマガ配信や電子書籍といった 形態が考えられますが、そういった「情報」にお金を出していいと思ってくれる読者は どれくらいいるだろうか……。
だって、「日経ビジネスオンライン」とか「AllAbout」とか「X BRAND」とか、 パソコンを開けばそこには盛りだくさんの情報を無料でいつでも手に入れることができるのですから……。

思えば、私が当webマガジン『econ−mag』を発行しようと思ったのは、「クライアントありきの仕事だけではなく、自分が『面白い』と思ったものを率直に表現したい」という思いがまずあって、それを実現するためには自分でその場所を持つのが一番早いかも、と考えたからでした。
もちろん、ここから「ほかの仕事」につながれば、という営業目線もありで、でもまだその目的は達成されておらず、むしろ今は産休育休の名目で「営業活動」自体自粛中ではありますが、大宮さん初め、こうしてこの場所を「面白い」と感じて筆を執ってくださる書き手さんたちのためにも、しっかりと活動していかなければならないなと感じました。

そして、もう一つ。
私の実家が飲食店の自営業をしていて、先日まで実家で3か月ほど暮らしていて感じたのは(お店は実家の隣にあります)、「有事のとき」には、行くお店のランクを下げるというよりは、外食の回数そのものを減らすようになるんだな、ということです。
例えば月2回来てくれていた人が月1回になる、月1回来てくれていた人が2ヶ月に1回になる、という風に。
例えるなら、今まで単行本を月3冊買っていた人が月に1冊になったり、月1冊買っていた人が図書館を利用するようになったり、といった感じでしょうか。
そして、お客さん側は、「自分が利用することがお店を助けている」とか「自分が行かないとお店が苦しむ」という思いはあまりないんだな、と感じます。
(私なんかは実家がずっと自営業だったので、他のお店に行ってもそんなことばっかり考えてしまうのですが……)
図書館ばかり利用したり雑誌も立ち読みで済ませてばかりだと、出版業界がますます斜陽になり、本が出なくなりますよ〜と声を大にして言いたいというより自覚を持ってもらえたら……なんて思ってしまいます……。
もちろん、「それでもお金を出して行きたい」と思われる店であることは最低条件ですが。
景気が悪くても場所が不便でも多少高くても、いつでも人が集まっているお店ってありますもんね。ほんと、見習いたいものです。。。

それにしても、「スナック大宮」、行きたかったなぁ。
1回目はもう終わったのですね。
接客が苦手で欠品ですと客に嘘をついたというユニクロでの苦い経験をお持ちの大宮さんが、どんな風に接客するかを見るだけでも、行く価値のあるイベントですね!
今までの私であれば、真っ先に手を挙げ、嵐の中でも必ず駆けつけたんですが、さすがに生後4か月の子どもを置いて夜でかけるわけにもいかず、かといって4か月でスナックデビューは早すぎるので、今回は泣く泣く断念。。。
そしてなにより私が興味を惹かれるのは、大宮さんが行きつけのお店でこのイベントを開くことになった「いきさつ」です。
いつものようにランチを食べながら「この先どうやってやっていこうか……」と相談する常連の青年に、「うちでやってみなよ☆」的な感じでお店の方が声をかけてくださり、熱い握手を交わす青年とお店の方……みたいなこと、勝手に想像してニマニマしています。
すみません。

あ、子が起きそうです。
なかなかお会いできないので、こうしてメールででもずっとおしゃべりしていたいくらいですが、今日のところはこの辺で……。
急に涼しくなり、風邪が流行っているようです。
どうぞご自愛ください。

ではではまた……。

 

 

 


洪愛舜

2011/09/26 04:20

 
     


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