洪愛舜さま
こんにちは。大宮です。
この『econ−mag』の創刊時のお話、素晴らしいと感じました。
僕たち書き手へのギャラも自腹を切っているということですよね。
すぐに利益につながらなくてもコツコツ続けていく仕事、きっと意義があると強く思います。大いに共感しますし、支持します。
僕たち出版業界に限った話ではありませんけど、これからの時代はサラリーマンも含めてすべての人が自営業的な姿勢を持たざるを得なくなってきていると思うからです。
自分のお客さんは誰なのか。彼らにどんな商品を届けるべきなのか。
そのために必要な実績や能力や職業倫理は何なのか。
ちゃんと考えずに何となく働いてお金をもらっていると、あるとき急に仕事がなくなり生活に窮するリスクが高まるような気がします。
僕自身に言っているんですよ。恐いなあ。
でも、周りを見渡してみると恐れすぎる必要はないとも思います。
すでに実践している先達がたくさんいるからです。
僕は最近、地元(東京・西荻)の個人商店を利用する機会が増えています。
アジア料理店とクリーニング屋と豆腐屋はすでに常連で、八百屋、魚屋、肉屋、本屋、食料雑貨屋も行きつけの店があります。
どの店も繁盛しています。共通する理由は、立地条件の良さもあるとは思いますが、商品やサービスレベルの維持向上に真面目に取り組んでいて、顧客との距離感の取り方が上手だということです。
毎日ちゃんと働いて、数百円数十円をおろそかにせず、一人ひとりの客とつかず離れず感謝の言葉を忘れない。
商品やサービスから伝わってくる真摯さのおかげで、利用した後は爽やかで元気な気分になれるのです。だから、また利用したくなる。
自分の商品やサービスにお金を出してくれるお客さんと向き合い続ければ、道を誤らずに楽しく働いて生活していける。
そんな明るい見通しを持っているこの頃です。
一方で、洪さんがご指摘の通り、内需が縮小していることも事実ですよね。
出版業界はますます厳しくなるでしょう。BtoCができる有料メルマガや電子書籍には期待を持っていますが、現在の僕の「お客さん」の中で利用してくれる人は数えるほどしかいないと思っています。
では、どんな商品やサービスならばお金を出していただけるのか。
僕は「言葉」しか売り物がないので、どのような形態の言葉ならば月に500円ぐらいは出してもいいと思えるのかを知り、実行せねばなりません。
お客さんに聞きながら試行錯誤していくしかないですよね。
5年前から続けている「食生活ブログ」がお店の看板やチラシだとしたら、今回スタートした「スナック大宮」はアンテナショップみたいなものです。
ご存知の通り接客は苦手で、大勢を惹きつけるようなトークもできない僕ですけど、寂しい人がいないような配慮はできるつもりです。僕に会うためにわざわざ足を運んでくれた読者(顧客)の方々だから、愛情みたいなものすら感じます。
だから雰囲気作りは大丈夫です。
すると、僕のトークが面白くなくても、お客さん同士が勝手に話して盛り上がってくれることがわかりました。すごく気が楽です。
少なくとも第一回(9月21日に開催済)は、少人数ということもあり温かい雰囲気で 終わりましたよ。会場と料理を提供してくれた行きつけのアジア料理店「ぷあん」のサポートも大きかったですけどね。
洪さんのご実家のお店にでもぜひ一度伺ってみたいと思っています。
「スナック大宮」はいずれ名古屋開催をする予定ですが、大阪開催の際は協力していただこうかな…。大阪の食、楽しみだな。
なんだかお腹が減ってきました。
ではまた!
大宮冬洋
2011/09/29 17:48
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