こうして新しい展開を迎えた松岡さんの人生。
旦那さまは家事にも育児にも協力的で、まさに「理想の家庭」ですが、それは波風がひとつも立たない、ということとは、少し違うようです。

「ケンカは絶えないですね。小さなことから大きなこと、タバコを吸いすぎるとか、家族への接し方のこととかで、いろいろと、しょっちゅうぶつかってます。ズレを感じたら徹底的に向き合うようにしてます。
人間って、人間同士じゃないと磨かれないんだ、って思うんです。ダイヤモンドがダイヤモンドじゃないと磨かれないように、人間同士がぶつかって初めて、人間って磨かれていくんだって。
本を読んだりいろんなものを見たり聞いたりして知ったとしても、生きていく中で相手とぶつかって、磨き合っていく以上の成長はないと思います」

そういう本気のぶつかり合いができるのが夫婦なんだと、松岡さんは言います。

「例えば親子だったら多少ズレがあっても決定的なことにはならないし、お互いに甘えもあるから本気でぶつかることができない。夫婦って、他人同士なんですよね。だから最初のちょっとしたズレを放っておいたら、取り返しのつかない距離が開いてしまうこともあります。だからズレを感じたらすぐに向き合って微調整することで、ふたりの距離も縮まるしお互い成長もできる。そういう関係が一番いいんじゃないかな、って、今は思っています」

人間と人間との本気のぶつかり合い。松岡さんにとって、今の旦那さまが始めてそれをできる相手でした。

「私は今までの恋愛では、相手に気を遣ってばかりいたので、相手と本気でぶつかり合うことはできませんでした。逆に言うと、その人とはそこまでの関係しか築けなかったということなのかも知れません。お互いを成長させられない相手とは、結婚してもダメだったのかも」

本気でぶつかり合って、お互いを磨くことができる人。
「婚活」において最も大切な「相手選び」のヒントが、ここに隠されているのかもしれません。