松岡緑 matsuoka midori
profile
1973年生まれ。2006年12月に結婚し、2008年4月に第一子となる長女を出産。専業主婦として家事と育児に奮闘しながら、地元の子育て仲間たちと一緒に読み聞かせサークル『レインボークラブ』を主宰。毎月1回、地元の公民館などを借りて読み聞かせイベントを開催している。
レインボークラブのホームページ


趣味は読書。子どもが生まれるまえに比べるとペースは落ちているものの、毎日の中に時間を見つけ、少しずつ大切に読んでいる。
最近では、いつの間にか、女性の生き方をテーマにした本を手に取ることが多いとか



「あなたが今、一番大切にしているものはなんですか」
このコーナーのインタビューの一番初めにいつも問いかけるこの質問に対して、今回のゲスト、松岡緑さんは、一瞬の迷いもなく、こう答えました。

「私の一番たいせつなものは、家庭です」
本コーナー始まって以来となる「家庭持ち」のゲスト。今まで仕事の話が中心だった本コーナーに、新しい風が吹いてきました。

「新卒以来ずっと勤めていた会社は、結婚を機に退職しました。結婚しても続けるという選択肢もあったのですが、結婚することを決めたときに、今までの人生を振り返ってたら、『私はなんのために生きてるんだろう』というところまで辿り着いちゃったんです。
ずっと考えて、悩んで、端的に言うと『自分が幸せになるため』なのかもしれない、って。でも自分だけじゃなく家族や周りの人みんなを幸せにできる生き方をしていきたい、という結論が出たんです」
そう思ったとき、自分が表舞台に出て働くよりは、社会に出て働く旦那さまがいつも元気に仕事できるよう支えることが、自分ができる『人生最大の事業』ではないかと気づいたそうです。
「豊かな家庭を築いていきたいという願望は、ずっと心の中にありました。でも、今の主人と出会うまでは、自分が本当に結婚できるかどうかわからなかったというか、結婚できないんじゃないかって思ってたんです」
実は、結婚願望がとても強かったという松岡さん。「セレブ婚」を目指して、20代前半からお見合いにも取り組んでいたそうです。
「願望は強かった割に、結局のところ本気にはなっていなかったのかもしれません。夢見がちな性格で、『いつか雲の上にいるような素敵な人が突然現れて、運命的に恋に落ちて結婚したいな』なんて思ってました。いつ運命の出会いがあってもいいように、自分磨きにはかなり力をいれていましたね(笑)」

理想を夢見て自分磨きに精を出しても、相手は一向に現れる気配がない。一体この先私はどうなってしまうのか……?? そんな毎日を送っていたとき、隣りの課で仕事していた今の旦那さまから、アプローチがありました。

「それまでは、自分の理想を全部兼ね備えた人と結婚いないと、幸せになれないと思ってたんです。だから、『身近には理想の人はいない』と決め付けてしまっていました。でも、結婚した周りの人たちを見ていたら、昔言ってた条件と全然違う人と結婚しても、すごく幸せそうなんです。それで、「アレ?」って思い始めて。
それから主人と食事に行って話していたら、その誠実さが伝わってきて……。

私、父がちょっと大変な人だったんです。定職に就かず、借金と、女性問題もあって。その苦労を母が全部引き受けていたので、父のような人と結婚したら大変だろうなとずっと思っていました。なので反面教師ではないですけど、見る目が養われていたのかもしれません。主人と一番最初に話したときから、この人は家庭を大切にする人なんだな、と感じたんです」

そうして、松岡さんの中で新しい価値観が形成されていきます。

「以前の私は、見た目や条件にとらわれて、その人の本質を見ていなかったんじゃないか、と気づきました。こうやって、同じ気持ちを共有できて、同じ目標に向かって一緒に歩いていける人だったら、条件など関係なく、幸せになれるんだって。それを気づかせてくれた主人には、本当に感謝しています」

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text by Hong Ae Sun
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