星山玲 hoshiyama rei   <profile>
1975年生まれ。山口県下関市出身。大学卒業後、CM制作会社、出版社勤務、広告会社取締役などを経て、28歳のとき有限会社マカルーを設立。WEB情報サービスやエステサロン経営など様々に事業展開し、2007年3月より「今どきの★エステ経営研究所」オープン。宅地建物取引業者免許を取得し、エステ・リラクゼーション店舗専門の「不動産事業部」を立ち上げ、エステ・リラクゼーションサロンのM&A仲介や店舗物件売買仲介のパイオニアとして業界内の再生に取り組んでいる。現在、3社の会社経営をしている。
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こだわりのカスタマイズ仕様をこなした、愛車のMINIクーパー。移動はもっぱら愛車で。夜の横浜ドライブが好き、との星山さん。



「一番たいせつにしているもの」を切り口に、その人の「今」を探ってゆくこのコーナー。
7人目のゲスト・星山玲さんは、「今一番たいせつなものはなんですか?」という質問に、穏やかで、それでいて核心に満ちた口調で、ゆっくりと答えてくださいました。

「私が今、一番たいせつにしているのは……人との『縁』です」
『縁』。その答えを聞いたとき、一瞬、違和感に似た不思議な感想を覚えました。
その意味を辞書でひくと「人と人を結ぶ、人力を超えた不思議な力。巡り合わせ」(大辞林 第二版)とあるように、『縁』とはなんとなく、「巡ってくるもの」、なんとなく「待ち」の姿勢を思い浮かべます。
起業家として常に高い獲得目標を持って行動している星山さんが、そんな「受け身」のものを一番たいせつにしているとは……。そんな「違和感」でした。

でもその「違和感」は、お話を聞いているとすぐに、その意味のとらえ方の違いだと気づかされることになります。

「今この瞬間このタイミングで人と出会って、お互いに何らかの話をするのって、かけがえのないものなんだな、と、最近強く感じているんです。人は、一瞬一瞬、いろんな選択をして生きていますよね。その選択を、もっと丁寧に選んでいきたい、と思って」
縁とは巡りくるものだけでなく、自分が選択した結果、生まれるもの。それが、星山さん流の『縁』のとらえ方でした。
「30代になってから特に、『意識』や『アンテナ』の持ち方を大事にしています。アンテナを立たせていると、自分が会いたい、経験したいと思うような『すてきな』人やものにどんどん出会える実感があります。
そこで感化されパッションというか自分との化学反応が起こる。ひとり悶々と頭で考えることより、出会いによって素直に感じることひとつひとつが正直で愛おしいというか……。
そんなことを感じる毎日が楽しいし、そんなご縁を大事にしたい。ぼんやりして過ごしていたら自分にとって大事であっても気づかずに通り過ぎていってしまう」
東京で生活を始めて15年目で、今が一番楽しんでいるかも、と星山さん。
「様々な人たちとの出会いや経験を通じて、自分の視点が加速的に高まっていく感覚があるんです。だから、『意識』や『アンテナ』を張って、そしてさらに『行動』することがたいせつなんだなと思います」

そんな、人との『縁』のたいせつさを、これまでもずっと感じていたわけではありませんでした。

「以前の私は、こんな風には考えてなかったんです。会社経営をしていますから自分が納得のいく事業の確立という目標が頭の中をほとんど占めていて、余裕もなく人に感謝する気持ちも足りなかったかもしれません。そして視野が狭かったし、視点も低かった。もちろん、今の自分も何年後かの自分が見たら『視野、狭いな』って思うのかもしれませんね(笑)」
人との『縁』に気持ちが向くようになったのは、自分なりのスタイルが確立されてきたからなのでしょう。
「まだまだベストだとは思いませんが、今いろんな尺度で、自分で作りだした仕事での達成感や、友人や家族との信頼関係の満足感などしっかり感じられるようになりましたね。少しずつですが、自分の視点が高まったのかな」
会社を作って5年。今まではずっと上昇することばかりを考えてきたかも、と星山さんは言います。
「振り返ってみると、紆余曲折の時期もありましたが、常に向上心という心の火を消さずに継続してやってきたから、今こういう精神状態でいられるのかな、と思います。今も『種まき』は常に心がけています」

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text by Hong Ae Sun


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