楽天株式会社を「卒業」した金さんは、2008年10月に株式会社リエゾンを設立。現在はｗｅｂサイトを使っての韓国人留学生へのお仕事紹介事業や、女性向けのゴルフウェアの企画・販売事業などに取り組んでいます。まったく脈略のないこれらの事業ですが、どういう風に始められたのでしょうか？
「事業をやる上で『これがやりたい』という風にしばられたくない、というのがあります。何かがやりたくて事業をする、というのではなくて、どうすればお金がまわるのか、その仕組みを考えるのがビジネスかな、と。
かと言ってそのために全然好きでもなんでもないことを事業のためにやるというような修行僧みたいなことはできないので（笑）、自分の興味のあることとお金がまわることがうまくリンクするようになればいいな、と思います」
なんとなくのイメージですが、「起業」というのはやりたいことがあるから事業を興すものだと思っていましたが、実は逆なのでしょうか!?
「いろいろなケースがあると思います。自分の場合は、いろんなところに可能性を見つけて種まきをしたい、というスタンスですね。はっきり言って今の時代、何がうまくいくかわからないので、こだわるのは危険かな、と。まだ成功していない人間が言っても全く説得力はありませんが（笑）」
なるほど……。
「ビジネスって、お金がなくなったらゲームオーバーで、それまでにどれだけジャブを打てるかなのかなと自分は思っています。だから、凝り固まった価値観ではなく、いろんなところにアンテナをはって、おもしろそうだと思うことをどんどんやっていきたいですね。
こだわって始めたことは、うまくいったらもちろんいいんですけど、もしダメになったら、0か100かじゃないですか。成功するか終わるかの一発勝負、いきなりストレート打ち、みたいな（笑）。それよりも、自分はジャブを打ち続けられるだけ打ち続ける方がいいかなと思います。と言いながら周りには『早く柱を作れ』と言われるんですけどね（笑）」
そうやって生まれてきたのが、今取り組んでいるお仕事紹介やゴルフウェア販売の企画なのですね。
「今はどうやったらお金が回るか、その仕組みを勉強しているところで、だから『実験』と言ったらこの事業に失礼になるけど、『試行錯誤』、これも失礼かな（笑）、その、一所懸命やってるところです（笑）」
金さんが企画・販売する女性向けゴルフウェアブランド「Eva&ViViana」。サイトを拝見したところ……か、かわいい……！　スウィングと一緒にひらりとゆれそうなひらひら裾のミニスカート、乙女心をくすぐるガーリーなプリーツつきシャツ、ラインがきれいな細身のセーター……全くもってゴルフには縁のない私でも、かなりぐっとくるものがあります。
「ありがとうございます。まさか自分が女の子向けのゴルフウェアを扱うなんて数年前は思っていなかったですが（笑）。すごく可能性のある分野だと思うし、何より一緒にやっているデザイナーが同年代の女性たちで、彼女たちが自分たちがほしいと思えるものを自信を持って作っているので、かなりいいものが出来上がっているじゃないかと思います。この春物からが勝負なので（笑）、皆さまよろしくお願いします（笑）」
全国のゴルフガールたち、『ゴルコン』で他の女子と差をつけるためにも、要チェックです！