山本周史 Yamamoto Chikafumi
<profile>
1969年広島県生まれ。大阪芸術大学映像学科を卒業後、広告代理店を経て映像ディレクターに。現在は株式会社ZUNOコンテンツ開発部プロデューサー、クリエイティブディレクターとして、商品の企画開発や映像制作、祐天寺応援サイト『U10G』の運営などに携わる。




お仕事では映像ディレクターや商品開発、町おこしプロジェクトなど様々な事業に取り組み、趣味でもカメラや絵本作りなどいろいろなことに興味を持っている山本さん。山本さんにとって「一番」はあるのでしょか?
「一番、というのはないですね。それぞれが全部、一番なんです。だって、例えば焼肉も寿司も中華も好きだけど、毎日それだけを食べ続けるのは嫌ですよね。その時美味しいもの、食べたいものを食べたい。だから、面白いとおもったらとにかくトライするし、合わなかったらすぐやめる(笑)。
例えば楽器もやりたいなと思って、少し前にギターとかちょっとやってみたんですが、痛くて(笑)。指が硬くなる前に辞めちゃった(笑)。一方で、剣道をずっとやってて、剣道も痛くて臭くて散々なんですが、それでも好きだったんです。好きだって思える瞬間があった。終わった後のメシがめちゃめちゃうまかったり(笑)。楽器もギターではくじけたけど、うーん、ウクレレだったらどうだろ?って始めて、ウクレレは少しだけ弾けるようになったり(笑)」
確かに、なんでそれが好きなのかわからないけど、でも好きなものってあります。
「だから、自分で自分にブレーキをかけないようにしたいと思っています。とにかく面白いなって思ったら動いて、分からないことがあれば聞けばいいし、調べればいいし。やらないと絶対に前に進めませんからね。結局、自分が面白いと思うものしかできないし、うまくいかない、と思うんです。無理してカッコつけたりしようとしてた時期もありましたが、それは全然ダメでしたから(笑)。素直に自分でやりたいと思ったものに対して、自然体で取り組んでいけたらと思っています」
これから先、山本さんがどんなものを作り上げていくのか、楽しみになってきました。
「やりたいことはずっとあるんです。商品開発を通じて、『宝物』が作りたい。僕が手がけた商品に、買ってくれた人の想いが一緒に詰まっていって、それがその人の勇気になったり心の支えになる。そうなってもらえるようなものを、これからも作っていきたいです」
宝物こそ、その人ならではの「こだわり」ですね。
「そう。その人の情熱が形になったものだから。多分、僕の中身は『空想する子ども』みたいなものでできているんだけど(笑)、『夢を夢で終わらせたくない』というか……。『ドラえもんの道具、あったらいいな〜』って思う人はたくさんいるけど、『なければ作ろう』と思えるかどうかが、ある一線を超えられるかどうかだと思います。僕はその一線を超えたい。僕一人では難しいかもしれないけれど、それを作れる人たちと一緒に仕事をして、それを形にして、『わぁ、できた!』ってその感動で、みんなが幸せになればいいな、と思います」

* * *

山本さんの半分は『愛情』で、残りの半分は『誠意』でできている、と感じました。
全部の原動力が、その対象への“愛情”と“エール”なんです。こんな風に仕事をして、そしてそれをうまく回すことができたら、間違いなくみんなが幸せになるんです。
夢にまで見た商品を手にしてお客さんも幸せ、技術をすべて集約しこだわりのものを作れて職人さんも幸せ、そしてそれを形にできた山本さんも幸せ。
あぁ、なんという美しいトライアングルなのでしょう。
きっと、スタート時点にある思いが純粋であるからこそ、このすてきな三角形は成立するのです。
周りを幸せにするそんな「純粋な思い」を、私は持てているでしょうか。きっと、始まりの時点ではあったはずの思い……。
あなたは、どうですか。

<了>

 

 



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text by Hong Ae Sun


 
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