寝返り、ハイハイ、お座り、あんよ……
生まれたばかりの赤ちゃんが歩くまで、
それぞれのステージでどのように発達しているのでしょうか。
各ステージで習得すべき動きについても、じっくりご紹介します!
こんにちは。ポールスターピラティス・インストラクターの宮川万衣子です。
シリーズでお届けしているこのコーナー。いよいよ最終回の『独り立ち期&あんよ期』を迎えることとなりました。
産まれてから歩き始めるまでの動作が、一生涯の動き方の礎を作る上でいかに大切かをお伝えしてきたこのシリーズ。今回はこれまでの集大成とも言うべき自立歩行に関してお送りします。「歩行」はこれから100年でも生きる可能性のある子供たちが生きている限り続けるであろう、そしてそうであってほしい動作です。
それでは早速、『独り立ち期&あんよ期』を詳しく見ていきましょう。
前回の『お座り&つかまり立ち』で、頭の重さを背骨周りの筋肉で支え、上半身の重みを下半身支えるスキルを身に着けた赤ちゃん。次にチャレンジするのはバランスです。
つかまり立ちで補助を使った自立を学んだ赤ちゃんは、次第に自分でバランスを取る練習を始めます。その頃の骨盤と太ももの関係はまだまだ不安定で、つかまり立ちを繰り返し練習する中でお尻や太もも周りの筋肉が徐々に発達していきます。
複数の骨の集合体である骨盤は1つの塊として動かないと思われがちですが、歩行の際には太ももの動きに伴って微妙な動きを見せると言われています。この動きの連携がダイナミックな動きを可能にします。
赤ちゃんがプルプルと必死にバランスをとりながら、独り立ちの練習をしている姿を見たことがありますか?
このとき、脳と筋肉をつなぐ神経系や下半身まわりの筋肉そのものはフル活用され最大限に訓練されているのです。
この絶妙な連携を形成するのに大切なのが、この独り立ち期です。
前回のお座り期の回にも少し述べたように、バランス能力というものは反復練習によって身に付きやすいものです。歩行器に乗せたり、早すぎる時期にあんよの練習繰り返したりすると、自分の筋力が不十分な内にバランスを取ることを覚えてしまいます。歩く動作を早く身につけることはできても骨盤と太ももの動きの連携がうまくいかないことが多くなるのです。
これは大人になってからも大きな影響を及ぼすことが多く、歩く時にフラフラする、走るときに動態が安定しない等の問題を引き起こしかねません。
それはダイナミックな動きの土台となる骨盤周りを支える筋力が不足しているため。
四つん這いの両手両足4点で体を支えていた赤ちゃん。ハイハイで片手両脚の3点支持・片手片脚の2点支持へとステップアップすることでゆっくりと時間をかけて筋力をつけて準備し、ついに独り立ちで下半身のみの自立を身につけることになるのです。
そこから一歩足を踏み出せば……そう。あんよの始まりです。
それでは次ページで、あんよ期を徹底解剖していきましょう!
01 / 02
text & illustration by
宮川万衣子 miyakawa maiko
<profile>
1978年神奈川県生まれ。大学卒業後、不動産会社勤務を経てバレエダンサーに。自身も舞台に立ちながら、フリーランスのバレエインストラクター、ピラティスインストラクターとして数々のジムやスタジオで活躍中。
「All About」の「ストレッチ」担当ガイドとしても活動中。
2014年に第一子を出産。
ブログ『ポールスターピラティスR インストラクター 宮川万衣子 ~Plow for Happiness~』