ロスジェネ男子←→女子の往復書簡【23通目】今回は「NEXT STAGE」について語ります。

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ロスジェネ男子ライター・大宮冬洋(1976年生まれ)と、
ロスジェネ女子エディター・洪愛舜(1977年生まれ)、
ふたりの「ロスジェネど真ん中世代」が試みる
インターネット往復書簡。
今回は、「NEXT STAGE」について語ります。

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大宮冬洋さま

こんにちは!
2016年も明け、2週間が過ぎましたが、お元気でいらっしゃいますか。
今年の冬は暖冬で過ごしやすいですね。
朝晩は冷えますが、「外にいるのもツライ」という日は少ないように感じます。
まだまだ子どもたちと公園などで外遊びをしなければならない私にとって、
暖冬というものはとてもありがたいですが、
「暖冬の年の夏は猛暑になる」とこないだ聞いたので、
今から戦々恐々としています……。

さて、そんな風に明けた2016年ですが、
今年は私にとって、NEXT STAGEに入る年になりそうです。
2011年4月から、第一子出産に向けて「産休」に入り、
そのまま「自主的育児休業」生活を続けながら2013年9月に第二子を出産、
引き続き「自主的産休&育休」態勢を続けてまいりましたが、
今年2016年4月にいよいよ第二子も幼稚園に入園することになるため、
仕事を再開できることになります。

この5年間、ほとんどの時間と思考を「子どもと何をして遊ぼうか」で
占めてきたこの生活が、ここで終わりを告げること、
これは私にとってかなりの変化です。
とは言え、まだ子どもはまだ4歳と2歳なので、自立したわけではありません。
100%子どものために使ってきた生活が一旦終わり、
「NEXT STAGE」に入るということになります。
これから、子どもたちが私のあずかり知らぬところでどのように成長していくのか、
それを通して私はどんなことを感じるのか、
そして親として彼女彼のために何をしていけるか、
新たなステージを楽しみたいと思います。

そして仕事面でも、再開するからといって、2011年以前と同じようなスタイルで
仕事ができるわけではありません。
自由な仕事時間は平日でも基本的に16時までだし、
夜はまだまだ気軽に外出できないので、
制約がついてまわる態勢が続きます。
子どもの病気など、急なトラブルも入るかもしれません。
しかも5年もブランクがある。
でも、これまでの経験の積み重ねはなくなるわけではないし、
何より、「休んで」いた5年間の間に感じたこと、考えたこと、
それは、この5年があったからこそ形にできるものもあるのではないか、
と、自分の中では思います。
なので、「以前に戻る」のではなく、「NEXT STAGE」に入るのだ、と。

実はこっちの方がとても楽しみで、
この間、様々な瞬間に「これやりたい」「形にしたい」と思いつき、
構想を続けていた「やりたいことリスト」が今現在29個あって
(年賀状を書いたときより2個増えました)、それらを形にするために
どういう道筋を作っていけばいいか、を考えるだけでワクワクしています。

そんなNEXT STAGEへと進む第一弾として、
昨年12月21日に「目黒駅前新聞」という新しい媒体を創刊しました。

「目黒駅前新聞」は、JR目黒駅の「半径500m以内の情報」に特化したwebマガジンです。
目黒駅は、JR山手線の西南部にある駅で、私鉄も乗り入れしている
比較的メジャーなターミナル駅なのですが、
「品川区と目黒区、港区の区界」に所在する、ということもあって、
目黒でも品川でもスポットがあたる機会が少なく、
既存のネットメディアでも注目される機会があまりありませんでした。

でも、私にとっては「目黒の中心は目黒駅」だったんです。

だから、「だったら、目黒駅が中心となる媒体を作ろう!」と思い立ちました。

恐らく、他の地域に住んでいる人以外にはあまり役に立たない、
非常にニッチすぎる情報です。
しかし、利用者も居住者も多い地域なので、
必要としている人は多く存在するだろうと思い、
このアイディアは面白いんじゃないかと思って形にすることにしました。

高校生の頃、何がきっかけだったかは忘れてしまったのですが、
「自分の世界の中心は自分」なんだと気づいたことがありました。
ここは、誰かの世界にとっては「隅っこ」かもしれないけど、
自分の世界にとっては中心で、
隅っこにいるのが嫌なんだったら、ここが中心となる世界を
作ったらいいのではないか、 と。
それは気持ち次第でもあるし……。
「目黒駅前新聞」の創刊は、高校生の頃から自分の中にあったこの思想が
根本に流れているかもしれません。

実は、思い立ったのは11月の中旬で、何とか年内に創刊はしたものの
取材や執筆を随時進めているため、まだまだ情報量が少なく
発展途上なサイトではありますが、コツコツと情報を載せ続けて、
豊かなサイトにしていきたいと思っています。

そんなわけで、この冬が終われば、NEXT STAGEです。
楽しみではありますが、次を楽しみにするあまり、
「今しかない今」がないがしろになってしまってはあまりにももったいないので、
3月までは残り僅かな「現行段階」を思い切り楽しもうと思います。

明日から寒くなるようです。
どうぞご自愛ください。

洪愛舜拝
2016/01/17 22:42

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<大宮冬洋 プロフィール>

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。一橋大学法学部卒。新卒入社のユニクロをわずか1年で退社し、編集プロダクションを経て2002年よりフリーライターに。 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる小さな町に居心地の良さを感じるようになる。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。現在は「蒲郡の中央線化(もしくは鎌倉化)」を模索している。
月の半分ほどは門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
著書に『30代未婚男』『ダブルキャリア』(ともに共著、NHK出版生活人新書)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵〈ストーリー〉』(ぱる出版) がある。最新刊は『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)。

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Yahoo!ニュース個人にて、「ポスト中年の主張」を配信中。
他にも、「38歳からの、大人の恋愛論」(日経ウーマンオンライン)、「木曜からジュテーム」(マイナビニュース)、「晩婚さんいらっしゃい!」(東洋経済オンライン)、「お見合いおじさんはみた!」(日経ウーマンオンライン)、 「『仕事恋愛』の理論と実践」(日経BPネット)、「お見合いおじさんが来た!」(婚活のミカタ)などのweb連載のほか、雑誌連載も多数。
自ら主催するイベント「スナック大宮」を東京・西荻もしくは愛知・蒲郡にて月に1回のペースで不定期開催中。

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ブログ『実験くんの食生活』を毎日更新。

<洪愛舜 プロフィール>

1977年大阪府堺市生まれ。
立命館大学理工学部卒業後、出版社勤務などを経てフリーランスのライター・編集者に。編集プロダクション「econ(エコン)」主宰。
著書『もやもやガール卒業白書』(MMR)がある。
『econ-mag』編集長。
『目黒駅前新聞』編集長。
4歳児&2歳児を子育て中。ブログ『子育てしていて、ふと気づいたこと』を不定期更新。