ロスジェネ男子←→女子の往復書簡【23通目】<3/4>

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ロスジェネ男子ライター・大宮冬洋(1976年生まれ)と、
ロスジェネ女子エディター・洪愛舜(1977年生まれ)、
ふたりの「ロスジェネど真ん中世代」が試みる
インターネット往復書簡。
今回は、「NEXT STAGE」について語ります。

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大宮冬洋さま

さっそくご返信いただきありがとうございます。

大宮さん!
すごい、大宮さんのメールにすごいことが書かれていました。
大宮さんが構想されている「プライベートインタビュー原稿作成サービス」
のことです。
実は私も8年ほど前、初めての自著『もやもやガール卒業白書』の執筆のために
インタビュー活動を行いながら、同様のことを考えていたんです!
このとき、「紆余曲折を経て結婚された女性が、
どういう経緯で今の旦那さんと結婚したか」をまとめるために、
15人の女性に、結婚に至るまでの経緯を、じっくり聞いていきました。
そして最後に、「旦那さんは、結婚相手として何点ですか?」と聞いたんですが、
この結果に驚いたんです。
平均点がなんと、95点でした。

インタビューで、夫婦が出会ったきっかけや結婚するに至る経緯を
かなり細かく丁寧にお聞きし(場合によっては結婚するまでの
恋愛についても話していただいたり)、当時のことを思い出しならが
色々お話されたから、結婚した意義や、あの頃の想いがよみがえったのか、
皆さんのきなみ高得点をつけられていたんです。
そのとき、あ、もしかして、これはニーズがあるかも、と思いました。

仕事でも結婚生活でも、日々に流されているとそれが最早日常になり、
当たり前になってその意義や意味がわからなくなってきます。
だから行き詰ったり、出口を求めようとしてしまったり。
そんなとき、
「これまでのこと」をインタビューを通して丁寧に語っていただくことで、
今の立ち位置が見えると同時に、今やるべきこと、やりたいことが
見えるのではないか。
それはとても、必要なことではないか?
そんなサービスができたらいいのでは!?と思ったんです。
名付けて、「インタビューセラピー」。

と思いついたのはいいものの、当時まだフリーになりたてで
何をどうはじめていいのかわからず、生活のためにも目の前の仕事を
こなす必要があって、この企画は実現できませんでした。
だからまさか仕事再開のこのタイミングで、
大宮さんからこのことをお聞きするとは……
あの時の想いが再燃してきました。
大宮さん、「インタビューセラピー」のサービス、一緒に立ち上げませんか!?

「目黒駅前新聞」についても、ありがとうございます。
大宮さんの
> 目黒駅前新聞を含めた洪さんの「NEXT STAGE」は、洪さんの行きつけのお店や好きな人、
> 興味と活動範囲などが自然と見えてくる、親しみと希望に満ちたものになる予感がします。
という言葉に、ハッとしました。
「新聞」という公共媒体を作っていくのだから、客観性や公平性が重要だという価値観が
私の中にあったようです。
でも、私が楽しいと思っている方に巻き込む、まさに大宮さんがおっしゃる
> サービス精神と遊び心を持って
> 自分の世界に人を楽しく巻き込んでいけばいいのですよね。
という精神でいいんだ、というか、その方が面白いものになっていくかもしれない、
と感じました。
がんばります!

また、昨日、これまでの生活が脅かされるかもしれないとある現場に
取材に行ってきたのですが、
権力を持つ者の横暴で勝手極まりない政策がまかり通る今の流れの中で、
大手メディアもまた権力者の側として、それらがいかに正当なものかという
書き方でしか伝えない現状がある中、
当事者として情報を発信していく媒体を持つということの意義を感じました。

取材先の方は、「新聞」と名前がついているだけで目の光が変わったようで、
「ちゃんと対応しなければ」という態度になったのが印象的でした。
わずかばかりのネットスキルですが、当事者の立場から情報をまとめ、
SNSと組み合わせて発信・拡散していけるという、
そんなことが可能な現代、幸運な時代に仕事ができるな……
と感じました。

目黒シネマさん、大宮さんのブログにもたびたび登場されますよね!
ご近所にいらっしゃってるんだ~と感じていました。
実は、すでに取材のアポをとっています!
2月中旬ごろアップ予定です。
ファンの方の想いにも応えられるような記事にできればと思いました。
お楽しみに!

また寒波がきていますね。
どうぞご自愛ください!

洪愛舜
2016/01/23 12:02

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<大宮冬洋 プロフィール>

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。一橋大学法学部卒。新卒入社のユニクロをわずか1年で退社し、編集プロダクションを経て2002年よりフリーライターに。 高校(武蔵境)・予備校(吉祥寺)・大学(国立)を中央線沿線で過ごし、独立後の通算8年間は中央線臭が最も濃いといわれる西荻窪で一人暮らし。新旧の個人商店が集まる小さな町に居心地の良さを感じるようになる。
2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。現在は「蒲郡の中央線化(もしくは鎌倉化)」を模索している。
月の半分ほどは門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験中。
著書に『30代未婚男』『ダブルキャリア』(ともに共著、NHK出版生活人新書)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵〈ストーリー〉』(ぱる出版) がある。最新刊は『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)。

uniqro

Yahoo!ニュース個人にて、「ポスト中年の主張」を配信中。
他にも、「38歳からの、大人の恋愛論」(日経ウーマンオンライン)、「木曜からジュテーム」(マイナビニュース)、「晩婚さんいらっしゃい!」(東洋経済オンライン)、「お見合いおじさんはみた!」(日経ウーマンオンライン)、 「『仕事恋愛』の理論と実践」(日経BPネット)、「お見合いおじさんが来た!」(婚活のミカタ)などのweb連載のほか、雑誌連載も多数。
自ら主催するイベント「スナック大宮」を東京・西荻もしくは愛知・蒲郡にて月に1回のペースで不定期開催中。

omiya

ブログ『実験くんの食生活』を毎日更新。

<洪愛舜 プロフィール>

1977年大阪府堺市生まれ。
立命館大学理工学部卒業後、出版社勤務などを経てフリーランスのライター・編集者に。編集プロダクション「econ(エコン)」主宰。
著書『もやもやガール卒業白書』(MMR)がある。
『econ-mag』編集長。
『目黒駅前新聞』編集長。
4歳児&2歳児を子育て中。ブログ『子育てしていて、ふと気づいたこと』を不定期更新。