<profile>
大宮冬洋 omiya toyo
1976年埼玉県生まれ。フリーライター。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職するがわずか1年で退職。編集プロダクションを経て、2002年よりフリー。雑誌、web、書籍などで活躍する。著書に『30代未婚男』『ダブルキャリア』(ともに共著、NHK出版生活人新書) がある。最新刊は、『バブルの遺言』(廣済堂出版)。
日経ビジネスオンラインにて『ボク様卒業への道 ロスジェネ既婚男のつぶやき』を好評連載中。
ブログ『実験くんの食生活』を毎日更新中。


洪愛舜 Hong Ae Sun
1977年大阪府堺市生まれ。
立命館大学理工学部卒業後、出版社勤務などを経てフリーランスのライター・編集者に。編集プロダクション「econ(エコン)」主宰。
著書『もやもやガール卒業白書』(MMR)がある。
『econ-mag』編集長。





     
 

大宮さま

こんにちは、洪愛舜です。
今朝はこの冬一番の冷え込みだったそうですね。
でも今年の冬はいつもに比べるとあまり寒くないように感じます。
私個人としては、夏は涼しく冬はなるべく暖かく、という「ゆるい春夏秋冬」が心地いいかなと思いますが、実家が野菜(特にキャベツ)の価格に翻弄される飲食店をやっているので、ゆるい感じだと野菜が高騰してよろしくないなぁなどつぶやきながら冬の寒さや夏の暑さに耐えるようにしています。

さて、月に15本!!! すごいですね!!
スケジューリングがかなり大変そうです……。
きっと今日も締め切りなんでしょうね。
このメールは、脳みその一休み代わりに読んでいただければ……。

大宮さんが並々ならぬ覚悟で改めてお仕事に取り組まれている様子、すごく伝わってきました。
自分自身が進行形で過渡期にあるときって、その状況とか心境とかを言葉にするの、すごく難しいんですよね。
自分では納得して書いているつもりでも、読み返してみると自分にとって都合のいい方向に解釈していたり、格好悪いことを隠そうとしていたり……。
でも、本気で自分なりに「ポジティブ」に思い込んで行動することも、時には必要なのかもしれないな、と最近思います。
今、ブラジル学校のドキュメンタリー制作に携わっていて、その学校がいろいろあって今年で小学校部門を廃止し、幼稚園教育に力を入れる、というふうに方向転換することになっているんです。
その転換について先生に話をお聞きすると、びっくりするくらいポジティブな理由しか出てこないんですよ。
そうは言ってもちょっとはマイナスな理由もありますよね!?ってこちらが邪推しても、すごく力強い言葉だけが次から次から出てくるんです。
こういうとき、映像って正直だなと感心しました。
思っていない言葉は撮れないんですよね。当たり前のことではありますが。
そうやってお話をお伺いしていて、いつかこの「ポジティブ」な決心が破綻してまた軌道修正を強いられるかもしれないけれど、こうして自分たちで決めた道を強く信じて歩み続けることこそが、今この過渡期にはもっとも必要なことなんだと痛感しました。

そんな感じで、「過渡期」の話と「映像制作」の話がごっちゃになっていますが、初めて取り組むドキュメンタリーの制作、なかなか楽しく携わっています。
私は基本的に、人のテリトリーにずかずかと入り込んでいくのが好きなんだなと最近感じます。
ライターや編集という仕事は、公に人の中に入り込んでいろいろと話を聞けるので大変楽しく興奮気味にやらせていただいているのですが、ドキュメンタリー制作ではそれがさらにごまかしのきかない感じで、また新たな魅力を感じています。
かといってこれを生業にしていくことは全然考えられませんが、ひとつ終わったらまた次の新しいドアが開けばいいな、という感じです。

そんなこんなでいろいろと自由に楽しんでいる今日この頃ですが、そんな私にも「大きな変化の岐路」が迫ってきています。
子どもができたのです。5月出産予定です。
これまであまりに自由にのんきに先のことを何も考えずやってきたので私は一体どうなってしまうのだろう、とビクビクしてしまいます。
これまで積み重ねてきた自分を取り巻くいろいろと、これから先の自分とが断絶してしまうような怖さもあります。
一応、4月から実家に帰らないといけないので(いわゆる「里帰り出産」というやつです)、4月1日から6月30日までは仕事はお休みにしようと思っているのですが、その後どうするかに関しては、ノープランなんです。
よく「えすんの仕事は家で自由にできるから、子どもができたあとも続けやすくていいね!」と言われますが、まぁそんなわけないですよね。
まず、赤子がいる状態で取材に出たり打ち合わせしたり、まとまった時間をとって記事を書いたり校正したりできるのかわからないし、それよりなにより、そんなに「自由のきかない」人に仕事を依頼してくれるのかどうか……。
実際のところ、仕事関係の方々に妊娠を報告するのを躊躇ってしまったところもありました。なんというか、「そっかー、じゃあ、大丈夫です」という存在になりそうで。

そんなこんなで非常に先が見えない状況ではありますが、
新しく始める生活が一体どうなるのか、楽しみでもあります。
きっと、今までになかった発見もあるだろうし、これまで踏み入れることのなかった新しい世界で新しい出会いもあるだろうし、そこで私自身がどんなことを感じて何をやりたいと思うのか、それにわくわくしているところもあります。
そういう意味で、今までの自分とこれからの自分が「断絶」してしまうかもしれませんが、それも含めて今は自然体で取り組めたら、というのが今の心境です。

こんな感じの状況ではありますが、
3月末までは引き続き今まで通り活動していますし、それ以降もこのwebマガジンに関してライフワークとしてずっと続けていけたらと思っていますので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

私自身は断酒中ですが、お酒の場には全然顔を出していますので、また近々ご一緒いたしましょう。
(むしろ今のうちです!)

では……。


洪愛舜拝

2011年1月7日 15:53

 
     


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