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宮川万衣子 Miyakawa Maiko
profile
1978年神奈川県生まれ。大学卒業後、不動産会社勤務を経てバレエダンサーに。自身も舞台に立ちながら、フリーランスのバレエインストラクター、ピラティスインストラクターとして数々のジムやスタジオで活躍。2008年4月より、都内スポーツジムの専属スタジオインストラクターとして活動を開始。





 
『胡桃割り人形』の舞台にて。


バレエだけにとどまらず自らの手でその世界を広げ、フリーランスとして活動してきた宮川さんですが、2008年4月から、あるスポーツジムに所属するインストラクターとしてお仕事をスタートしました。フリーランスから正社員へ。その変化のきっかけはなんだったのでしょうか。
「実はこれもまたプライベートでいろいろあって、それが大きいのですが(笑)、長い間ボヘミアンのようにあっちのジム、こっちのスタジオと放浪して仕事してきて、この辺りで一度定住してみてはどうだろう、と思ったんです。これまで自分が経験してきたこと、積み重ねてきたことには自信はあったので、それを活かしてひとつの組織の中で自分がどこまでできるのか試してみたい、というのもありました。それで、同じ目的を持った仲間たちと一緒に、目標に向かって切磋琢磨してゆきたいなと。怒涛のようなスケジュールで採用が決まって、まだ入って2週間ですが、すごく楽しくて充実しています。仲間っていいなー!って(笑)。ずっとひとりで仕事してきた分、チームワークを持って仕事をしてゆくことに対する感動が大きいです」

そして、宮川さんの『これから』は。
「ずっと踊りと関わって、そして『楽しく』やっていきたい。今は自分が踊る時間をなかなかとれないのですが、ちょっとでも時間見つけたらスタジオに行って踊っていて、そしたら久しぶりな分、『楽しさ』がすごくよくわかるんです。古くから踊りって、楽しいときに行われてきたんですよね。『豊作だ、うれしい!』とか。だから、楽しまないといい踊りは生まれてこないんだって思います。踊りたい、楽しく過ごしたい、そのためにはどうすればいいか、自分になにができるか。そういう風に発想して、これからの自分の道を歩んでいきたいですね」

実はこのインタビューの日に、30歳のお誕生日を迎えた宮川さん。新しい世界への一歩を踏み出したばかりの彼女の根底には、「踊ること」に対する愛があり、愛するが故に葛藤があり、同じ葛藤を持つ後輩たちのために、自ら道を切り開いてゆく。そんなまっすぐな気持ちが縁をつむぎ、さらなる世界を広げてゆくのだと感じました。

「好きなことを仕事にしてはいけない」と言われたことがあります。逃げ道を失ってしまうから。でも、好きだからこそ、仕事にせずにはいられない。そんなときは、どんな状況をもとことん楽しむ、そして迷わず行動する。それが秘訣なのだと、宮川さんは「たいせつ」が教えてくれているのかもしれません。

あなたはどうですか?
<了>

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text by Hong Ae Sun
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